「1ドル=170円か180円で会社は破綻」…急激な為替変動が国民をパニックに陥れる「未曽有の事態」
輸入業者の為替変動への本音
私の友人に食料品の輸入企業をやっている人がいて、オリーブオイルやドライフルーツなどをトルコから輸入し日本で売っています。その友人が言うには「1ドル=170円か180円くらいになったら会社は破産」だそうです。 輸入業者はある意味「卸」みたいなもので、ただでさえ1パーセントとか2パーセントぐらいの利益率でやっている。小売りとメーカーの間に挟まれているので、そう簡単には値上げできないのです。 「そんなに為替変動が嫌ならヘッジすればいい」という人もいるかもしれない。でも、一輸入業者がわざわざ為替ヘッジに資金を回すのはナンセンスです。そこまで資金が潤沢ではないし、利益率も高くないですから。 不安定な為替相場が今後も続くと、いずれ輸入業者も値上げを迫られる。それも、為替の変動リスクを織り込んだ、大幅な値上げです。すると当然ながら小売りも値上げするので、最終的には国民の購買力が痛めつけられる。実際トルコではそうなりました。 だから、日本の金融当局にはとにかく為替相場を安定させてもらいたいと思うのですが、いまのところそのつもりはなさそうです。 『「失われた30年」脱却なるか!…世界に訪れた40年ぶりの「インフレ時代」が日本経済にもたらす思わぬ「影響」』へ続く
永濱 利廣、エミン・ユルマズ
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