鹿児島県内の小中学生の体力テスト合計点の平均が15回連続で全国平均下回る…1週間の総運動時間は上回る
スポーツ庁が公表した2024年度の「全国体力・運動能力、運動習慣等調査(全国体力テスト)」の結果で、鹿児島県内の小中学生の体力合計点の平均が、15回連続で全国平均を下回った。一方で、記録が残る14年度以降、1週間の総運動時間が小中の男女いずれもで全国平均を超えたのは初めて。県教育委員会は「各学校で子どもたち個人の課題を捉えた指導を行っていく」としている。(小林未南) 【表】全国体力テストの主な結果
調査は4~7月に行われ、県内の公立小468校の5年生1万3826人、公立中214校の2年生1万1690人が参加。握力や上体起こし、反復横とびなど8種目(各10点満点)で体力を測定した。
テストの記録を点数化した体力合計点の平均は、小5男子が51・83点(全国平均52・54点)、女子は53・52点(同53・93点)。中2男子が40・8点(同41・69点)、女子は47・02点(同47・22点)だった。
8種目のうち、20メートルシャトルランは小5女子と中2男女が前年度から向上し、全国平均を上回った。一方、長座体前屈は小中男女ともに全国平均を下回り、柔軟性が課題となっている。
児童生徒の生活習慣や運動意識に関する調査も行われた。1週間の総運動時間が420分以上の割合は、小5男子が51・0%(同50・4%)、女子は29・7%(同28・4%)、中2男子が78・7%(同76・2%)、女子は57・6%(同55・0%)だった。
県教委は児童生徒の体力向上を目的に、長縄跳びや馬跳びなどの記録に挑戦する「体力アップ!チャレンジかごしま」を実施。優秀な成績を残した学校を表彰している。20年度からは柔軟性を高める種目も追加。剣道やダンスなどの授業に地域の指導者を派遣し、子どもたちが専門的な技術を学ぶ機会も設けてきた。
県教委保健体育課の徳田清信課長は「全国平均とそこまで差はない。テストの結果から個々の子どもの課題を見つけることが大切で、体育の授業の指導に工夫を持たせるなどして、改善に生かすよう各学校に求めていく」としている。