2027年には運転もしないわ雑用もやってくれるわの時代がくる!? もしも本当ならテスラの「ロボ軍団」が世界を変える!
テスラは人型ロボットも開発
ところで、「We, Robot」のタイトルにあるロボットは自律運転をするEVを指すだけではありません。2021年にプロジェクトが発表され、2022年にプロトタイプ「Optimus」として紹介されたヒト型ロボットが、さらなる進化を遂げて登場しています。 テスラボット=オプティマスは、2022年当時は「2腕、2足、5本指、頭部を持つロボット」であり、人間と同じタスクをこなせる汎用の人型ロボットを目指していたものの、その動きはギクシャクとして、とてもそばにいてほしいロボットではありませんでした(笑)。 が、2023年になると「周辺環境を認識して歩行する」「自分の手足を認識して物を掴む」「片足で身体のバランスを保つ」「道具を使う」など、当初の不完全さは見事に払拭され、これなら危険な作業や退屈な単純作業など「人間がやりたがらないあらゆる作業」を任せられると誰もが納得したはず。 むろん、ヒト型ロボットの分野ではテスラ以外にもフォードと連携しているAgility Roboticsの「Digit」や、Boston Dynamicsの「Atlas」といった有名どころがあり、とりわけDigitはすでにアマゾンの倉庫作業で実用化されています。 とはいえ、テスラには自動運転の開発で培われた機械学習の技術を応用し、ロボットの動作のほとんどを機械学習で最適化するというアドバンテージがあるのです。他社のヒト型ロボットには従来型の制御が含まれているのに対し、テスラボットはほとんどの制御を機械学習だけで行っているという、さすがAIにも長けたマスク流の開発手法といえるでしょう。 テスラボットは我々の生活を豊かにする手助けとなるべく、先生やベビーシッターとしての役割のほか、犬の散歩や芝刈り、買い物の手伝いなどを人間に代わって作業できるようプログラムの開発が進められており、2025~2027年には2~3万ドルで手に入るだろうとされています。 なんだかいいことづくめにも見えますが、テスラのロボでもって職を追われることになる方々も少なからずいることはたしか。タクシーやトラック運転手はもとより、女子大生のベビーシッター案件だって減少するに違いありません。 一方で、こうした労働者の保護を訴えて当選したトランプ新大統領がいるわけで、ご存じのとおりマスク氏はトランプ支持を明確に打ち出しているわけです。このあたり、マスク氏はどういい訳してみせるのか、テスラボット以上に注目したいと思っているのは決して筆者だけではないでしょう。
石橋 寛