「ペロブスカイト太陽電池」販売時期を前倒し…パナソニックHD、建材一体型26年投入
パナソニックホールディングス(HD)は次世代太陽電池であるペロブスカイト太陽電池の販売開始時期を前倒しする。従来は2028年に顧客への提供を目指すとしていたが、26年から試験的に販売すると25日発表した。顧客の評価を通じ、本格展開に向けた改良を進める。ガラス建材と一体化した同電池の市場投入により、都市部における再生可能エネルギー発電を後押しする。 【写真】パナソニックの建材一体型ペロブスカイト太陽電池 1メートル×1・8メートルのモジュールを製造する試作ラインを、大阪府守口市の研究開発拠点に今秋以降に立ち上げる。投資額は非公表。現在は神奈川県藤沢市のモデルハウスで建材一体型のペロブスカイト太陽電池を実証中で、発電性能などのデータや得られた意見をライン立ち上げに生かす。 ペロブスカイト太陽電池の官民協議会の発足などを背景に、政府の枠組みも活用して早期の商用化を目指す。 同日、パナソニックHD技術部門は40年までの中期戦略を示す「技術未来ビジョン」も発表した。太陽電池のほか、iPS細胞(人工多能性幹細胞)培養装置や、現実世界と仮想世界をつなぐサイバーフィジカルシステム(CPS)などを注力分野に設定。事業開発ではグループ外へのスピンアウトも視野に入れた体制に見直す。