【逝去】八代亜紀さんが闘病していた「膠原病」とは? 皮膚筋炎との関係も医師が解説
演歌歌手の八代亜紀さんが2023年12月30日に逝去されたことを、所属事務所が明らかにしました。73歳でした。八代亜紀さんは2023年9月に膠原病の一種である抗MDA5抗体陽性皮膚筋炎(指定難病)と急速進行性間質性肺炎を発症し、療養されていました。 膠原病という病名は聞いたことがあるけれども、具体的にどのような病気かはよくわからないという人もいらっしゃると思います。膠原病は、多数の臓器が炎症を起こす病気をまとめた呼び名で、膠原病という一つの病気があるわけではありません。そこで今回は膠原病の症状や代表的な病気、好発年齢などについて詳しく解説していきます。 [この記事は、Medical DOC医療アドバイザーにより医療情報の信憑性について確認後に公開しております] ※この記事はMedical DOCにて【「膠原病」とは?症状・原因についても解説!】と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。
膠原病とは
編集部: 膠原病とはどういった病気ですか? 武井先生: 膠原病は一つの病気の名前ではありません。皮膚や血管、内臓の結合組織などに炎症が起こり、多数の臓器に一度に異常が生じている病気をまとめた呼び名です。 1942年に米国の病理学者であるPaul Klemperer(ポール・クレンペラー)により、提唱された病気の考え方です。 ポールは、多くの臓器が一度に障害されて、どの臓器が根源であるかを特定できない病気があることに気づいたのです。それまでは、一つの臓器が障害されて病気は起こると考えられていました。膠原病という呼び名は、人間の細胞をつなぎ合わせている膠原線維がフィブリノイド変性を起こしていることからつけられました。 膠原病は、自らの臓器を組み立てている細胞やたんぱく質に異常な免疫反応がみられるため、自己免疫疾患とも呼ばれます。 1950年に、全身性エリテマトーデス、リウマチ熱、皮膚筋・多発性筋炎、強皮症、関節リウマチ、結節性多発性動脈周囲炎の6つの病気が膠原病に含まれました。これら6つは古典的膠原病と呼ばれています。 その後に、細菌感染で起こると判明したリウマチ熱は膠原病から除かれ、混合性結合組織病、シェーグレン症候群などの複数の病気が膠原病に追加されました。