【有馬記念】アーバンシック 史上8頭目菊から連勝へ 肉体面に変化「見た目がパワフルに」
「有馬記念・G1」(22日、中山) ドウデュースが秋の古馬3冠コンプリートで有終の花道-。そんな有馬記念を想像する方は多いかもしれないが、ライバル陣営も黙ってはいない。『STOP THE ドウデュース』の筆頭格と目されるのは今年の菊花賞馬アーバンシック。決戦1週間前の15日は夜明け前の美浦坂路で躍動。自己ベストに迫るタイムを記録して順調ぶりをアピールした。 夜明け前の午前4時。美浦坂路のスタート地点を勢い良く飛び出した栗毛が、スポットライトに照らされる。注目の菊花賞馬アーバンシックは単走追い。外ラチ沿いを手応え十分に駆け上がると、ゴールが近づくにつれてグングン加速。残り1Fで気合をつけられる場面こそあったが、最後まで集中力を保ったまま、力強い脚取りでフィニッシュラインを越えた。 計時した4F52秒1-38秒4-12秒4は、自己ベストに0秒2差まで迫る好タイムだ。武井師は「いい動き。完全な単走でも自分から走ってくれて、折り合いも問題なかった。最後はステッキを見せた程度。特に言うこともなく、順調ですね」と満足げにうなずく。今秋はセントライト記念→菊花賞と連勝。夏を越えて、まさに上昇一途の3歳馬。「精神的には前回と変わらないけど、見た目がパワフルになった。今は520キロくらい(前走時510キロ)。馬体のメリハリがさらに出てきている」と肉体面の変化に目を細めた。 今回は古馬と初対戦。秋の王道G1・2連勝中のドウデュースが待ち構えている。「やってみないと分からない。いきなりすごい実績がある馬とやるわけですから」とライバルたちに敬意を表しつつも、「ジャパンCで(同じ3歳馬の)シンエンペラーがあの差(2着同着)なら、全然やれないことはないと思っている」と目を光らせる。 「古馬などにも騎乗候補がいるなかで、クリストフ(・ルメール)がこの馬を選んでくれた。そういう意味でもチャンスはあるはず」。頼れる名手のエスコートで、16年サトノダイヤモンド以来、史上8頭目(グレード制導入の84年以降)の菊→グランプリ連勝へ。最強古馬を撃破し、高らかに世代交代を告げる。