【有馬記念展望】武豊ドウデュース有終Vなるか 強力3歳馬に牝馬勢、海外GⅠ好走馬などライバル多数
[GⅠ有馬記念=2024年12月22日(日曜)3歳上、中山競馬場・芝内2500メートル] 有馬記念は天皇賞・秋→ジャパンCから続くいわゆる「秋古馬3冠」の最終戦。ただ、消耗度を考慮した馬優先のスタイル、さらに分業制や使い分けが定着した昨今は、1か月スパンで距離もコースも異なるタフな3冠ロードの皆勤馬は少ない。2000年には秋3冠を制覇した馬にボーナス制度(2億円)が導入されているが、過去の達成馬は00年テイエムオペラオー、04年ゼンノロブロイの2頭のみ。天皇賞・秋→JCを連勝した20年アーモンドアイ、23年イクイノックスが有馬を前にターフを去ったように、有資格馬すらなかなか出ていないのが実情だが…。 今年、20年ぶりの褒賞金ゲット、そして有終Vを目指すのが史上最多獲得票数(47万8415票)でファン投票1位に輝いたドウデュース(牡5・友道)だ。天皇賞・秋、JCともにメンバー中ただ一頭の上がり32秒台という超抜の切れ味で連勝。史上5頭目の連覇でラストランを飾れば、ウシュバテソーロを抜いて歴代賞金王(海外、地方も含む)になる。また、年間獲得賞金でも00年テイエムオペラオーを超える歴代最高となるだけに、レジェンド武豊の手綱さばきから目が離せない。 ドウデュースを含む10頭のGⅠ馬出走は過去10年での2番目タイという豪華メンバー。打倒ドウデュースを狙う面々も強力だ。その筆頭として、フレッシュ感ある3歳馬に食指が動く。ファン投票2位のダノンデサイル(牡・安田)は、ダービー以来のぶっつけだった菊花賞が不完全燃焼の競馬。ここで巻き返してダービー馬が3歳時に有馬記念Vとなれば、11年オルフェーヴル以来史上5頭目、鞍上・横山典にとっては1996年サクラローレル以来、28年ぶりのグランプリ制覇となる。 同世代の菊花賞馬アーバンシック(牡・武井)は、GⅠの最重要キーパーソンといえるルメールを背に参戦。セントライト記念→菊花賞の勝ちっぷりは目を引くもので、秋を迎えての成長度合いを感じさせる。勝てば16年サトノダイヤモンド以来の菊花賞馬による3歳制覇。ルメールは4度目の有馬Vとなる。 古馬勢も役者揃い。昨年、ドウデュースの2着だったスターズオンアース(牝5・高柳瑞)は川田の継続騎乗がプラス材料。過去10年で3勝2着3回とグランプリで良績が多い牝馬だけに、エリザベス女王杯で復活Vを決めたスタニングローズ(牝5・高野)、約1年ぶりの勝利を目指すレガレイラ(牝3・木村)ともども注意が必要か。 他にも大阪杯勝ち馬ベラジオオペラ(牡4・上村)、宝塚記念勝ち馬ブローザホーン(牡5・吉岡)、天皇賞・春覇者ジャスティンパレス(牡5・杉山晴)などが調子を上げて参戦。今回でラストランとなる21年のダービー馬シャフリヤール(牡6・藤原)も含めてGⅠ馬がズラリと並ぶ。 〝非GⅠウイナー〟でも米ブリーダーズC2着馬ローシャムパーク(牡5・田中博)、4度目の有馬チャレンジとなるディープボンド(牡7・大久保)、海外GⅠで2着3回のプログノーシス(牡6・中内田)、意外性を秘める白毛馬ハヤヤッコ(牡8・国枝)など魅力ある馬が揃った。V圏内の馬は文字通り五指に余る戦況で、暮れの中山で大熱戦が繰り広げられそうだ。
東スポ競馬編集部