企業年金は資産運用に良いインパクトを与えられるか? アセットオーナー・プリンシプルの策定議論が進展
このように、「アセットオーナー・プリンシプル」は、立派なアセットオーナーである企業年金として当然、順守すべき原則にはなっているが、現実問題として企業年金の規模や事業主の意識などの違いによって、全ての企業年金が等しく原則を受け入れられるような体制になっていないという現実もある。そして、かつては従業員の5割程度をカバーしていた企業年金が今では30%程度のカバー率になり、公的年金を補完する役割として企業年金を拡充すべきという方針はあるものの、企業年金を導入するための条件があまり大きな負担になってしまっては企業年金離れを一段と推し進めかねないという懸念もある。企業年金・個人年金部会では、そのあたりのバランスを重視した対応が重要との意見が強かった。
今夏にも策定される「アセットオーナー・プリンシプル」はその内容がまとまった後に、企業年金の運用に関するガイドライン等にも記載される見通しだ。(イメージ写真提供:123RF)
ウエルスアドバイザー