トヨタ・ヤリスクロスだけの強みはなんだ? ホンダWR-V、日産キックスと価格や装備を比べてみた【国産コンパクトSUVガチンコ比較】
【価格・総合比較】トータルバランスが秀逸なヤリスクロス
最後に価格を含めた総合的な評価を比較して総括としよう。 ヤリスクロスのもっとも大きな特徴はトータルバランスの高さだ。ガソリンモデルとハイブリッドモデルのどちらも燃費がもっともよく、価格が手頃なうえ機能性の高さでライバルに差をつけている。 WR-VはガソリンエンジンのFWDしか選べない点に加え、レバー式サイドブレーキが採用されるなど、装備面ではヤリスクロスには一歩譲る。しかし室内空間やシャシー性能といったクルマの本質的な部分では、ヤリスクロスと同等かそれ以上のまとまりを見せる。 キックスは、価格が高いだけあって内装の質感がもっとも高く、e-POWERによる滑らかな走行フィールと静粛性は頭一つ抜け出ている。室内空間はヤリスクロスとおおむね同等だが、機能や利便性ではやや及ばない。 トータルバランスに優れるヤリスクロスは、どのような用途であっても一定以上の満足度が得られるだろう。それに対して、ライバルはそれぞれ突出した性能を持っていると言える。 広い後席や荷室空間を第一に望むなら、価格が安いWR-Vがもっともコストパフォーマンスが高い。電気自動車のように走行できるe-POWERのキックスは高い費用を払ってでも乗る価値のあるクルマだ。 いずれの車種もコンパクトSUVとして十分な性能が備わっているが、個性的とも言えるほどに得意とする分野が異なる。実際に試乗して用途に適したクルマを見極めるとよいだろう。
ピーコックブルー