名古屋のIT企業 女性の活躍進む 「休暇」や子育て支援活用で
名古屋市に本社を置くIT企業で、女性活躍が進んでいる。女性が管理職や役員に就くことで、多様な視点や意見を経営に生かす狙い。働きやすい環境作りとして、生理やつわりなど女性の体調不良に対応する休暇制度や、子どもを育てる社員のサポートなども広がっている。 ITサービスのスタメン(中村区)の中谷奈緒美取締役執行役員CAO(36)は、大手旅行会社を経て2018年にスタメンに入社。未経験だった管理部門で部長を務めるなどキャリアを積んできた。上長とともに4カ月ごとの目標設定を行い、透明性のある評価を受けられるほか、女性専用の相談窓口を通じて経営層が現場の課題を把握し、リモートワークや時短勤務など柔軟に対応することがフォローにつながった。 中谷氏は「女性が安心して働ける環境の要因に、活躍する女性のモデルケースが社内にいるかどうかがある。私自身モデルケースになっていきたいし、経営者としてそういった女性を社内から生み出していきたい」と話す。
ITサービスのエイチーム(中村区)は、25年11月末までに女性社員の割合を45%以上、管理職のうち女性割合を25%以上とする目標を掲げる。24年7月末時点で社員773人のうち女性は343人で44・4%、女性管理職は30人で管理職の32・7%を占め、目標水準に達している。 また女性の育休取得率は100%、育休後の復職率は92・5%で、各種の取り組みが寄与。17年には家庭を持つ女性を中心に企画した「ファミリーサポート制度」を導入し、時短勤務や特別休暇の利用を促している。さらに育休中や復帰後の仕事の不安は、社員本人だけでなく家族も感じることが多く、「家族向けに会社説明会を開き、安心して育休を取得できる環境をアピールしている」(木全祐子人材開発部副部長)という。 ソフトウエア開発のシステムリサーチ(中村区)は19年、女性活躍推進のため「ダイバーシティ推進委員会」を設置(21年に「サステナビリティ推進委員会」に統合)。全社横断で30人が所属し、女性活躍推進の行動計画などを策定している。