新型コロナの新たな変異株「XEC」が世界で急速に広がる 新たな流行に?
気象条件や旅行シーズンなどで流行しやすい時期になる
現在入手できる最新のワクチンがターゲットにしている変異株は、ファイザー製とモデルナ製では「KP.2」、ノババックス製では「JN.1」となっている。XECも今年流行した両変異株と無縁ではないので、これらのワクチンはXECに対してもある程度の防御を提供してくれるだろう。裏を返せば、どのくらい有効かは現時点では不明だということでもある。 XECが主流になるのか、それとも別の新たな変異株がそうなるのかも見通せないが、いずれにせよ向こう数カ月のうちに新たな感染拡大が起こる可能性はかなり高い。過去数年、冬季の流行は11月中旬に始まっているからだ。11月には気温がぐっと下がり、空気もかなり乾燥し、屋内の活動が増えてくるので、それも当然だろう。米国は感謝祭(11月第4木曜日)前後から年末年始の旅行シーズンに入るので、これもウイルスの蔓延に拍車をかけている可能性がある。 ただし、11月までは新型コロナウイルスの活動が活発化しないと想定するのもよくないだろう。より信頼性が高く包括的な監視システムがないことに加え、11月の選挙を前に政治家たちがコロナという言葉を避けている可能性もあるから、次の感染拡大の前に事前の警告はないと思っておくべきかもしれない。新型コロナにかかったり、その後遺症が長引いたりするのを避けたい人は、XECにしっかり注意を払い、予防対策を講じるようにしたい。
Bruce Y. Lee