20代の半数以上が“ヒートショック予備軍”。お風呂ドクターによる「冬の危険な入浴方法」10項目
寒い時期は、ついつい長風呂したくなるだろう。一方で、冬の入浴は最近よく耳にする「ヒートショック」の危険も孕んでいる。 【全画像をみる】20代の半数以上が“ヒートショック予備軍”。お風呂ドクターによる「冬の危険な入浴方法」10項目
「熱いお風呂に長時間」は逆効果
ヒートショックとは、急な気温の変化により交感神経が刺激されて血圧が乱高下し、心筋梗塞や脳卒中などの重大な疾病が起こることをいう。特にリビングから脱衣室への移動で起こることが多いという。 リンナイが、お風呂ドクターこと東京都市大学人間科学部教授の早坂信哉監修のもと実施した「冷え・ヒートショックに関する意識調査」でも、その危険性について言及している。寒いとつい熱いお風呂に長くつかりたくなるが、早坂先生によれば、「冷えた身体を温めようと、高温で長時間の入浴をすると逆に身体に負担をかけることになる」そうだ。
若者でも油断できないヒートショック
早坂先生が作成した「ヒートショック診断テスト」から、その危険性を見直してみよう。 1. お風呂に入る前より出た後に水分をとる 2. 家族に声をかけずにお風呂に入る 3. お風呂場が寒くても我慢する 4. お風呂に入ったらすぐに湯船に浸かる 5. あつあつの湯船に浸かる 6. 湯船から出るとき立ちくらみすることがある 7. 湯を張るときは湯船にふたをする 8. 汗をかき始めてからもしばらく湯船につかり続ける 9. 食後すぐにお風呂に入る 10. 37.5℃以上の熱がある場合でもお風呂に入ることがある 10個のチェック項目のうち、5問以上にチェックがついた場合は注意が必要だ。
若い人でも「ヒートショックに注意が必要」
意識調査では、ヒートショック予備軍が全体の41パーセントと多くの人が危険な入浴をしていることが分かった。なかでも驚きなのが、20代の半数以上がヒートショック予備軍であるとの結果だ。「『ヒートショック』と聞くと高齢者の話と思うかもしれませんが、実は、若い方も注意が必要です」と早坂先生は警鐘を鳴らす。 早坂先生によると、ヒートショックには、一般的な「山型ヒートショック」と、若い人でも起こり得る「谷型ヒートショック」があるという。 まず、脱衣所や浴室などの寒い場所で血圧が上昇するが、42℃以上の熱い湯でさらにそれは促進される。しかし、身体が温度に慣れてくると、今度は血管が拡がって急に血圧が下がる。この血圧の乱高下が、一般的にヒートショックと言われている「山型ヒートショック」だ。血管が老化している高齢者はもちろん、生活習慣病などで動脈硬化が進んでいる若い人も脳出血や心筋梗塞を起こす可能性がある。 一方、谷型ヒートショックは湯船から立ち上がった際の血圧低下により起こる。温熱効果で血管が拡張していることや、水圧による締め付けから血管が解放されたことで、一気に血管が拡がることが原因だ。これにより脳に血液が回らなくなり、立ちくらみや意識消失で転倒したりおぼれてしまう危険がある。普段から血圧が低めな人は特に、湯船からゆっくり立ち上がることを意識すると、血圧の急降下を防げるという。