涙ぐむ人…高2死亡、窓から身を乗り出して車が横転 深夜グラウンドで 高校が説明会、保護者「ずさんであり得ない」 頭を下げてあいさつし、真面目な生徒が多い学校「いたたまれない」
同法人の説明によると、16日夕、サッカー部のコーチが車を使用した後、運転席側のダッシュボード上の小物入れに鍵を入れた。生徒らは寮の午後9時の点呼後、午後11時ごろまでの間に、寮監に見つからないように抜け出し、徒歩約15分の距離にあるグラウンドに向かったとみられる。 サッカー部は2022年8月、整備に使用していた車が故障したため、今回の事故車両となる中古車1台を購入した。部の倉庫内で鍵を管理していたが、23年3月に倉庫のガラスが割れ、鍵の管理方法を検討。約150人の部員が5チームに分けて練習し、入れ替わりのたびにグラウンド整備が必要となり、監督、コーチ間で円滑に受け渡しをするため、車両内で鍵を保管することになったという。 法人側は、部員や他の生徒が鍵の管理方法を知った経緯は不明と説明。生徒らが警察に対して「過去にも運転した」と話していることについては、「サッカー部の監督、コーチは『そういうことはないだろう』と話した。グラウンドで車に乗った形跡が見つかったこともない」とした。
同校では、サッカー部や他の運動部でナンバープレートのないグラウンド整備用の車が6台ある。今後、同法人の系列の学校を含め、ナンバーのない車の使用を廃止し、グラウンド整備専用のトラクターを導入して、厳密な鍵の管理を徹底する方針としている。 事故原因や学校の管理体制については、県警の捜査に協力し、全容解明が進んだ段階で田中理事長やサッカー部の監督、コーチらの責任や処分を検討するという。 現在、総合グラウンドを使用する野球部や陸上部など五つの部活は練習を停止。他の部活を含めた今後の大会出場について、町田弦校長は「生徒の意思を尊重する。今は一生懸命練習している」と話し、辞退などの予定はないとした。