働き方改革がうまくいく企業が実施する「休み方改革」とは
「働き方改革」に成功している企業は何をしているのか
弊社が全国528社を対象に調査したところ、働き方改革が「成功している」と回答した企業は、全体の「12%」にとどまっています。 働き方改革に成功している12%の企業と、成功していない88%の企業の間には、改革に向けてのシステムデザイン(制度設計)に違いがあります。 成功している企業は、働き方改革によって起こる「現場の変化」を目的としていますが、成功していない企業は、改革に「取り組むこと」が目的になっています。 働き方改革の「手段」が「目的化」しているため、どんなに時間と労力とお金をかけても期待したほどの成果が得られず、ビジネスパーソンは残業時間が減っただけで忙しいことに変わりはなく、結果的に休日も増えていないのです。 働き方改革に成功していない88%の企業の大半が、「残業時間の削減」に四苦八苦しているのに対して、成功している12%の企業は労働時間を減らすだけではなく、働き方改革の先にある「3つの改革」を推進しています。 ①「休み方改革」......心身を休めるための時間を増やす ②「稼ぎ方改革」......生み出された時間で新たな事業に着手する ③「学び方改革」......未来に備えて勉強の時間を作る 見方を変えれば、働き方改革に成功している企業というのは、これらの3つの改革を進めるための時間を作り出せているから、自信を持って「働き方改革に成功している」と宣言できるのです。
「働き方改革」は「休み方改革」
これは企業だけに限ったことではなく、現代のビジネスパーソンも「働き方改革」が「休み方改革」につながり、それが「稼ぎ方改革」や「学び方改革」に発展する......という大局的な視点を持って、仕事の生産性を向上させていくことが大切です。 自分を取り巻く「休みを取りにくい要因」に気づいて、それをクリアする工夫を続ける一方で、仕事の効率を高めて生産性を向上させていけば、インパクトのある成果が出せるだけでなく、休みを取りやすい環境を自ら作り出すことができます。 しっかりと休むためには、効率よく仕事をする必要があります。効率よく仕事をするためには、しっかりと休むことが大切です。 この2つの関係を上手に成立させていくことが、働き方改革の本来の目的である「企業の成長」と「社員の幸せ」を両立させることになります。
越川慎司(株式会社クロスリバー 代表取締役)