「スタバのバイトがキツい」は本当?まことしやかに囁かれる噂を元バイト店員が解説
勤務が終わっても黙々と資料を…
どのスタッフも脳みそのキャパシティは必ず2度ほど溢れることになっている。情報が膨大な量ゆえに、勤務時間内に覚え切れず自己学習にするスタッフも少なくない。勤務が終わって帰宅する前に、黙々と資料を読み込む仲間の姿を常に見ていた気がする。 ちなみに私は、前もって学習しているにもかかわらず、当日ギリギリまで穴が開くほど資料を読んでいた。私という人間は、ごく稀に見る記憶力が欠落しているタイプなのだが、仲間はいつも優しかった。その優しさが生まれるのも「片手間では覚えられねえ」という情報量だからだ。 もちろん新しいドリンクだけでなく、フードも前もって試食している。新しいプロモーションの冊子やPCの情報を読みながら、できるだけ「自分の言葉」で表現できるまでが求められるのだ。 公式での説明は当たり前のように一度頭の中に入れる。それはもちろんのこと、自分の第一印象はどうだったか、自分の好みと商品がマッチしているか、どんなお客様におすすめするのが良いと思うか、さまざまなことを仲間内でも話し合いながら、接客に繋げていくのだ。
水面下では次が始まっている
しかし、毎月のように新プロモーションが始まるスターバックス。水面下では、プロモーションが始まったと思ったらすぐに次のプロモーションの情報が解禁になっているのだ。今現在、秋のプロモーションを開催しているが、スタッフの頭の中は次の「ホリデープロモーション」でいっぱいなはずだ。 ホリデープロモーションは、知る人ぞ知る「祭」。クリスマスの期間のこと。スターバックスの1年で、いちばん盛り上がるプロモーションだ。期間限定で発売されるドリンクやフードの数もアイテムも、控えめにいって狂っている。一発で覚え切れない情報量を前に仲間は毎日学習を重ねて覚えていた。私は覚え切れないからカンペを作っていた。毎年暑いうちから情報解禁されているのに。 ちなみに、退職してから気づいたのだが、お客さんとして参戦するホリデープロモーションは素晴らしく隅々まで煌びやかで楽しい。そして、あの舞台裏の努力があってのホリデーだと思うと感慨深い。 このように常に学習が必要なところを「キツい」と言われている可能性がある。そして、それと同時に求められる接客レベルも高いために、労働意欲が高い人でないと「キツい」と感じるのかもしれない。