4月開催のサクラ五輪構想が浮上?安倍首相が「遅くとも2021年夏までに」と幅を持たせた東京五輪はいつ開催されるのか?
東京五輪の延期が24日夜に行われた安倍晋三首相とIOC(国際オリンピック委員会)のトーマス・バッハ会長との電話会談によって合意に達した。新型コロナウイルスの世界規模での感染拡大の影響を考慮し、これまで強行開催路線を貫いていたIOCは、22 日に臨時理事会を開き、結論まで4週間の猶予を設けて「延期を含めた検討」に入ったことを表明。安倍首相が、すぐさま会談を申し入れ、「1年程度を軸にした延期」を提案、バッハ会長が「100%同意する」と合意の意思を示し、すぐにIOC臨時理事会が開かれ延期が決定した。 今回の合意で残った疑問は、安倍首相が「遅くとも2021年の夏までに」と、幅を持たせた、その開催時期だ。 新型コロナウイルスの収束の時期が見えないために幅を持たせたとも考えられるが、電話会談に同席していた小池百合子・東京都知事は、「年内開催はないということを確認された上で、おおむね2021年の夏に、ということです」と発言した。 「では2021年の夏に?ということですか?」という確認の質問には明確に答えず「本年はないということです」と返答した。 開催時期は、ちょうど1年延期の7月24日前後となるのか、それとも別案も検討されることになるのか。IOC関係者の間からは、「暑い夏を避けて春開催はどうか」の声も上がっているようで、英国のガーディアン紙は、「あるIOCメンバーは、来年4月の“桜”五輪の可能性を掲げている」という衝撃情報を伝えた。 4月開催となると、維持費などの今後、かさんでくる経費の節約になり、なにしろアスリートの健康を維持するために、日本特有の湿度も高い酷暑を避けることができる。また来夏に予定されている世界陸上、世界水泳とも重ならない。 だが、4月開催には、多くの問題点がある。ひとつは、莫大な放映権料を支払っていて影響力の大きい米NBCの意向。NBCは、他のプロスポーツとの重複を避けたい考えだが、4月開催となると、米4大スポーツのうち、メジャーリーグの開幕、NBA、NHLのプレーオフともろにバッティングする。そうなるとNBAは、ドリームチームを五輪に派遣できなくなり、NBCにとっては、視聴率的に痛手をこうむる。世界陸上や世界水泳の開催時期をずらすのとはスケールが違ってくる。