笛吹きボトルを持つ森下さん（右）と、しいたけ茶を持つ坂本さん

　優れた観光土産品を表彰する「NIPPON　OMIYAGE　AWARD」（全国推奨観光土産品審査会）のグローバル部門に、2023年度（第64回）からペルー大使館賞が新設された。受賞した2点はいずれも南米ペルーとゆかりの深い土産品である。

BIZEN中南米美術館が所蔵している笛吹きボトル

　まず、BIZEN中南米美術館（岡山県備前市）の「備前焼　笛吹きボトル」（33,000円）は、古代アンデス文明の「笛吹きボトル」の構造を同美術館と東京大学、岡山県立大学の研究者らが解析し、その研究成果を備前焼作家の森敏彰さんに提供し、誕生した。 　今から三千年前に太平洋岸地域で栄えたチョレーラ文化までさかのぼる「笛吹きボトル」は、トウモロコシの聖なる酒チチャを入れ、揺らすと不思議な音色が出る。備前焼は 古来より水や酒をマイルドに美味しくすることで知られており、ペルーと備前の文化融合の商品だといえる。同美術館の森下矢須之館長は「赤ワイン、日本酒、焼酎などを入れた後、左右交互に上下に揺らして、妙なる笛の音を楽しんでください」と言う。そして、「その間に、味がマイルドで一層香り立つようになります」と解説する。「備前焼　笛吹きボトル」は民工芸部門でも特別審査優秀賞を受賞した。 　また、同美術館は古代アンデス文明の笛吹きボトルを40個所蔵している。

コンテナ内部で、栽培中の椎茸を手にする坂本さ

　もう1点は、株式会社さんまいん（山口県美祢市）の「しいたけ茶　ちゃちゃっとさん」（700円）。「ちゃちゃっとさん」は、自社で生産した椎茸を乾燥し、粉末にしたものを北海道産の昆布と合わせており、しいたけの旨味や風味を存分に味わうことができる。 　同社は十数年前から保冷コンテナ内での菌床しいたけの栽培を手がけているが、コンテナ調達の際に日本ペルー協会と関係の深い海運会社の手助けがあった。そんな縁もあって同社の坂本睦海社長は山口県ペルー協会の理事を務めている。 　「椎茸の風味をそのままに、お湯で簡単にお茶を作ることができます。現代社会で忙しい日々を過ごすみなさまに、ほっと一息つけるお茶の時間を」と坂本社長はPRしている。また、だしとしても利用でき、様々な料理を「ちゃちゃっと」手軽に引き立てられるという。