ボーイングが提案した新たな労働協約案を巡る組合員投票の開票作業

（ブルームバーグ）： 米航空機メーカー、ボーイングの従業員が加入する労働組合は23日、４年間で35％の賃上げを柱とする新たな労働協約案をスト実施中の組合員が否決したと明らかにした。

組合側は特に年金に関する条件の改善を要求し、ストを継続する。工場の操業停止に伴い巨額損失に直面するボーイングにとって、さらなる打撃となる。

スト入りしている３万3000人の工場労働者を代表する国際機械工・航空機工労組（ＩＡＭ）の発表によれば、23日に行われた組合員投票で、約64％が社側との暫定合意に反対した。

ＩＡＭ751地区のジョン・ホールデン委員長は「われわれはストを継続する。組合員らはそれ以上の待遇を受けるに値し、声高に訴えてきた」と投票後に発言した。

ボーイングが当初提示した労働協約案は、組合員の94％という圧倒的多数の反対で否決された。同社はワシントン州シアトル地域の生産拠点で小型機「７３７」と中型機「７６７」、大型機「７７７」の製造工程が１カ月余り停止を余儀なくされており、今回は反対する組合員の割合が少なかったとはいえ、操業正常化に向けた努力は後退せざるを得ない。

ストの影響は同社の財務に重くのしかかり、格付け会社ムーディーズ・レーティングスが格下げ方向での見直しを公表するなど、投資適格級からジャンク（投機的格付け）への引き下げもあり得る状況だ。

ボーイングの労使交渉は６週間にわたり中断と再開を繰り返し、膠着（こうちゃく）状態の打開に向け、ホワイトハウスがスー労働長官代行をシアトルに派遣し、仲介に動く事態となった。ボーイングは最新の労働協約案で当初の25％を上回る35％の賃上げを提示したが、確定給付型年金プランが復活しないことなどに組合員らが反発した。

原題：Boeing Workers Spurn Latest Offer as Bid to End Strike Fails (2)（抜粋）

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