来週の日銀会合、利上げの話題出ると思うが「まだ早い」-中村委員
日銀は4月の経済・物価情勢の展望(展望リポート)で見通し期間の2026年度にかけて目標の2%程度で推移する姿を示した。中村委員は25年度以降の物価見通しに関して、「家計の貯蓄率低下の巻戻しや節約志向の高まり等から個人消費が低迷し、値上げ鎮静化が進むと、2%に届かない可能性がある」とみている。
物価に負けない賃金上昇の実現には、中小・中堅企業の「稼ぐ力」と「賃上げ余力」の向上が必要不可欠だと説明。連合による春闘の集計も主に大企業の回答であり、「私自身は賃上げの持続性に確信を持てていない」とし、「経済成長をリードする大企業の改革成果の中小・中堅企業への波及はまだ弱い」と述べた。
その上で、日本経済は物価と賃金がようやく動き始め、物価目標や持続的な経済成長を達成する「千載一遇のチャンスをつかみかけており、重要な転換点に差し掛かっている」と指摘。持続的・安定的な物価目標の実現には「経済の力強い回復への期待を確信に変える経済構造の変化が必要と考えている」と主張した。
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--取材協力:船曳三郎.
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Sumio Ito