なぜオリオールズは35歳の菅野智之を1年20億円で獲得したのか…切迫したチーム事情と四球率2.6%を誇る制球力の評価
オリオールズは17日、巨人から海外FAでメジャー挑戦を目指していた菅野智之(35)と契約合意したことを発表した。ESPNのジェフ・パッサン記者ら複数のメディアの報道によると契約は1年で1300万ドル(約20億円)。今季の推定年俸4億円だった菅野の年俸は一気に5倍に跳ね上がった。オリオールズでは先発3番手としての役割が期待されている。 【映像】大谷の愛犬デコピン逃走の衝撃シーン
菅野の新天地が決まった。ボルティモア・オリオールズだ。 敏腕で知られるパッサン記者が日本時間17日に第一報を報じるとオリオールズの公式Xも日本語で「菅野智之投手 オリオールズへようこそ!」と歓迎メッセージを投稿した。契約は35歳という年齢から1年の単年となったが1300万ドル(約20億円)の高評価を受けた。今季の推定年俸の4億円が一気に5倍に跳ね上がった。キャリアでの最高額の8億円からも倍額以上だ。 オリオールズは、昨年オフに著名な投資家のデビッド・ルーベンスタイン氏が率いる投資グループに売却された。資本力のある新しい経営者がどう補強に乗り出すのか注目が集まっていたが、これまで獲得したのは、外野手のタイラー・オニールを3年4950万ドル(約76億2000万円)、捕手のゲイリー・サンチェスを1年850万ドル(約13億円)で契約しただけで、菅野が3人目。年俸に換算すると菅野はチームで3番目の高額となる。またオリオールズに所属した日本人選手としては、上原浩治、和田毅、昨季の藤浪晋太郎に続き4人目となる。 菅野は2020年オフにもポスティングによるメジャー挑戦を目指したが、条件が合わず、どの球団とも契約には至らなかった。その菅野が今回オリオールズに好条件で合意できた背景には、チーム事情と高評価された投球術がある。 菅野は今季24試合に登板し、156回2/3イニングを投げ、15勝3敗、防御率1.67、111奪三振の成績を残してリーグ優勝に貢献、セ・リーグのMVPに輝いた。ストレートの平均球速は、92マイル(148キロ)だが、オリオールズに評価されたのは、その投球術だ。 MLB公式サイトは「菅野は特に強く投げるわけではないが、多様な球種を持ち、優れた制球力がある」と説明。フォーシーム(26%)、カッター(20%)、スライダー(20%)、スプリッター(17%)、シンカー(9%)、カーブボール(8%)の6種類の球種を持つことを紹介した。 オフの情報に詳しい米サイト「トレード・ルーマーズ」も「年齢と怪我の影響で力は落ちているが、投球術を利用して成長している。特に制球力にそれが顕著に表れている」とし、今季の四球数がわずか16で四球率が2.6%であることを紹介した。米サイト「ベースボールアメリカ」は「コントロールタイプの先発投手としては、4番手から5番手の評価がある」と称賛している。
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