瀬戸大橋線立ち往生、なぜ6時間も…救出プラン3案検討中に「想定外の事態」
今回の事故後、渡り板は駅内の別の場所で見つかった。同社の調査では、2013年に保管場所を変え、移動したとの記録は社内にあったが、マニュアルに反映されていなかったという。
最終的な救出方法が決まるまで3時間かかったことについて、四之宮社長は記者会見で「お客様も救出できるため、列車の駅への収容を優先させたが、お客様の救済だけを優先すべきだったのではというのは後から思えば反省点だ」とした。そのうえで「いろいろな事例に対し、優先順位を判断する訓練が不足していた」とした。
また、同社は、立ち往生中に乗客へ食料、飲料を届けることができなかったことも課題としている。
◆行き先変更
現場はJR西日本管内との境目近くで両社が連携して救出にあたったが、救出した列車の行き先を巡っては意見の相違があった。
両社は3年に1度、合同で非常時対応訓練を実施。13年には乗客の救出作業や現地確認作業を迅速に行うとする覚書を締結している。
児島駅からの救出用の列車に関してJR四国は元々、乗客の乗り換え後、香川へ向かう計画で準備をしていた。これに対し、JR西は快速の行き先だった岡山側に向かうよう主張。行き先は1時間後、岡山側に変更された。
JR西岡山支社の林秀樹支社長は11日の記者会見で「運行管理権はJR四国にあるが、もっと早いタイミングでもう少し強く提言することができたというのは、反省点があったんじゃないかと捉えている。非常時のコミュニケーションの仕組み作りはJR四国と一緒にやり、訓練も拡大したい」と述べた。
四之宮社長も「今回のことを踏まえ、JR西とも改善点を協議したい」とした。