尹大統領と韓国与党の新代表との「不都合な同居」はいつまで続くか
「私たちがこれから一丸となって、ハン・ドンフン代表を支えなければならない」 尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領は24日、与党「国民の力」の新指導部と夕食をともにしながらこのように語った。はたして本心だろうか。 7月23日に開かれた国民の力の党大会後、政界の最大の関心事は「尹錫悦-ハン・ドンフンの関係見直し」問題だ。ハン代表は今年、与党の非常対策委員長として総選挙を指揮する過程で、大統領室から非常対策委員長の辞任を求められた。今回の党大会では尹大統領夫人のキム・ゴンヒ女史の「ブランドバック受け取り」問題について謝罪を申し出たキム女史のショートメールを無視した事実が明らかになり、「2人の関係は取り返しがつかない状況になった」というのが大方の見解だった。2人がサムギョプサルを焼き、腕を絡めて乾杯をする和気あいあいとした姿を見せつけたにもかかわらず、二人に注がれる党内外の視線には依然として不安が混じっている。 ハン代表は党大会の過程で「変化」を主要キーワードとして掲げただけに、尹大統領との差別化は避けられない。支持率の低い尹大統領に失望した党員の支持を集めたため、変化した姿を見せなければならない。ハン代表も25日、初の最高委員会議で「国民が選択し命じた変化は、国民の意思どおりに民意と国民の目線に反応しろということ」だと繰り返し強調した。 しかし、一時は尹錫悦政権の「皇太子」と呼ばれたハン代表が差別化を図っていることについて、尹大統領支持派の議員たちの間では不満が高まっている。党と一般党員の圧倒的な支持を受けたハン代表を当分は見守るという態度だが、ハン代表と尹大統領支持派の軋轢(あつれき)の火種は依然として残っている。目の前に見える導火線は、ハン代表が党大会の過程で修正を提案した「(殉職海兵隊員)C上等兵特検法」だ。 野党「共に民主党」は25日、国会本会議でC上等兵特検法の再議決が否決された直後、「ハン・ドンフン修正案」を排除せず、直ちに再立法を進めると発表した。改革新党のイ・ジュンソク議員もこの日フェイスブックに「ハン代表が党大会を控えて提案した(特検法)修正案の内容を見せてほしい」と書き、「国民の力は(ハン・ドンフン修正案を)直ちに発議すべきだ」と主張して圧力を強めた。ハン代表は同日、再議決の前に「私は党大会の間、民主党が発議したC上等兵特検法については強く反対してきた」と述べ、ひとまず否決に傾いた。野党が発議した特検法が流れたのだから、今度はハン・ドンフン式特検法が必要な時が来たわけだ。 ところが、与党内ではC上等兵特検法に対する拒否感がかなり強い。慶尚道が選挙区で、党内で中立とされるある重鎮議員は、「私たちがこれまでC上等兵特検法に反対してきたのは、『民主党が推薦する特別検事が間違っている』というわけではなく、特検法そのものに問題があったためだ。第三者が(特別検事を)推薦する特検法をハン代表が進めるからといって、従来の誤った特検法の内容そのものが変わるわけではない」と語った。このような状況で、ハン代表の最側近であるチャン・ドンヒョク最高委員は国会再議決前の放送インタビューで、「C上等兵特検法が(国会の再表決で)否決されれば、あえて『第三者による特検』に向けた議論を続けるメリットはない」と述べ、気流の変化をうかがわせた。こうしてひとまず引き下がるのだろうか。 「人間的な信頼を裏切ってしまった場合は修復が難しい」。ある尹大統領支持派の議員は尹大統領とハン代表の現在の関係をこのように語った。2人はしばらく不安な同居を続けながら探索戦を繰り広げていくものとみられる。C上等兵特検法やキム女史問題など、衝突のポイントは至る所にある。自分への被害と相手への打撃を綿密に検討し、最適だという計算が立った時点で、誰かが先に動き出すだろう。 ソ・ヨンジ政治チーム記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )