センバツ「21世紀枠空白県」からの脱却なるか 横浜清陵、山城、壱岐が地区候補に選出
来春行われる第97回選抜高校野球大会の21世紀枠の全国9地区の候補校が発表された。2001年大会から設けられた同枠での甲子園出場がないのは群馬、埼玉、神奈川、長野、三重、京都、奈良、大阪、岡山、鳥取、広島、福岡、長崎の13府県。今回、関東・東京地区で横浜清陵(神奈川)、近畿で山城(京都)、九州で壱岐(長崎)が地区候補になっており、来年1月24日に開かれる選考委員会で決まる最終の2校に選ばれれば、「21世紀枠空白県」からの脱却となる。 【リスト】第97回選抜高校野球大会の21世紀枠 全国9地区の候補校 ■「文武両道」を実践 神奈川県勢は全国で唯一、地区候補になったことがなかった。そんな中、甲子園出場経験のない横浜清陵は横浜や東海大相模など、私立の強豪がひしめく地域で今秋、公立として唯一、8強入りするなど、近年、安定した成績を残している力が評価された。 離島にある壱岐は文武両道の進学校。「壱岐から甲子園」を合言葉に集まった部員全員が島内出身。遠征で島外に出る場合、フェリー代などが約30万円かかるため、練習試合などの機会は限られるが、今秋は県大会で準優勝し、九州大会でもベスト8に入った。 注目の近畿は伝統校の山城が選ばれた。最終的な選考では奈良大会で準優勝し、近畿大会に進んだ進学校の奈良との比較となった。どちらも「質の高い文武両道」を実践しているとされたが、1971年から聴覚障害のある生徒を受け入れているほか、少年野球との交流で地域に貢献している点などが評価された。同校野球部は全国に15校しかない夏の第1回地方大会からの皆勤校。最後の甲子園出場は61年夏。センバツ出場となれば57年以来、68年ぶりとなる。OBに元阪神の吉田義男氏がいる。 京都府勢は立命館宇治が秋季大会で準々決勝に進んだもののコールド負けを喫し、一般枠での選出は厳しい状況。山城が同枠で選ばれ、一般選考枠の5、6校目に近畿8強の大院大高(大阪)、滋賀県勢の滋賀学園、滋賀短大付のいずれかが入れば、近畿2府4県すべてで出場校を出すことになる。 横浜清陵、山城、壱岐の3校が府県勢として「初の21世紀枠」の吉報を待つ。一方で、同枠での甲子園出場に恵まれているのが今回、大田(おおだ)が中国地区の候補となった島根県勢。同枠で甲子園出場を決めたのは、北海道の5度に次ぐ4度(中止になった2020年大会の平田を含む)で、福島、和歌山、徳島と並んでいる。また、全国9地区の候補に入るのも今回25度目の選考で実に10度目。自動的に地区候補となる北海道を除くと最多だ。
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