「中国系頭脳」が“米国に流出”生成AIの熾烈な争い 動画生成「Pika」は華人・華僑の女性達が起業
インド生まれのDhariwal氏は同じ日、XでGPT-4o開発チームの主要メンバー16人を紹介した。中国のネット界隈ではXやビジネスSNSのリンクトインを通じてその日のうちに16人の素性の特定が進められ、うち6人が中国系であると推定している。 それぞれの国籍は不明なものの、うち4人は北京大、清華大、中国科学技術大、上海交通大と中国の大学を卒業しアメリカの大学院に進学、グーグルやアップルなどメガテックでの勤務を経てオープンAIに入社しているとされる。
■ChatGPTにも中国系人材が関わる? オープンAIは各製品の開発に関わった「貢献者」のリストを公開しているが、中国メディアなどによると「GPT-4o」の1つ前のバージョンである「GPT-4」にも約30人の華僑華人が含まれているという。 中国系の研究者や技術者がグローバル、つまりはアメリカで活躍していることについて、中国ではさまざまな受け止め方がされている。 北京有力メディアの新京報は、Pikaの郭文景氏がハーバード大に合格したことが話題になっていた2015年12月、「ハーバードに進学するあの女の子、一般人は決して同じことを望むな」という一風変わった記事を掲載している。
同記事などによると、郭文景氏の父は前述した通り上場企業の社長、母は名門・浙江大学を卒業後、MITの博士課程に進学している。アメリカで産まれた郭文景はアメリカ国籍だ。 記事は彼女が何度もアメリカを訪問したり、お金のかかるスポーツを楽しんでいることを紹介し、「郭文景氏がハーバード大に入学できたのは、恵まれた家庭環境」に大きく起因すると主張している。 「天才美少女が中国の高校からハーバード大に進学した」ともてはやす国営メディアを、「富二代(金持ちの子どもという意味)のアメリカ人がハーバードに進学したというだけの話だ」と冷笑し、「ハーバードへの道には経済的な壁もある。一般庶民には縁のない話だから夢を見るな」とくぎを刺しているのだ。