多角的なアプローチでコミュニティー活性化へ インスタグラムやスレッズの現在地は?
WWD:現在スレッズには収益化機能がないが、今後拡充していく可能性は? 大平:広告を含むプラットフォームの収益化は、利用者体験を充分に構築した後に導入する予定だ。インスタグラムでもそうだったように、まずは利用者にとっての体験価値を構築することが優先事項であり、その上で利用者体験を損なわない形でビジネスに対する価値を提供する方法を検討するだろう。
リアルイベントや誌面との連動も
クリエイターと企業の協業事例
WWD:コロナ禍が明け、オフラインイベントの開催も増えた。SNSと連携することでどのような効果を得られるか?
大平:オフラインイベントの場合、現地に足を運べる顧客の数やキャパシティーなどの関係で、リーチできる人数が限定されてしまう。その様子をインスタグラムの公式アカウントや来場者のアカウントで発信する手法は一般的になっている。オンライン、オフラインで包括的に取り組むことで、より幅広い層ヘアプローチするのが効果的だろう。
SNSとリアルイベントを連動させ、より立体的に1つのストーリーを伝えることができている事例として私が印象的だったのは「ヴォーグ ジャパン(VOGUE JAPAN)」 のオフラインイベント「VOGUE ALIVE」。出演者である女性ダンスチーム・アバンギャルディのリール告知動画を最初に見た後、誌面のインタビューを読み、イベントのことを知った。その後オフラインイベントでのパフォーマンスがあり、その様子がリール動画として投稿された。この事例はリアルとSNS、さらに誌面までが効果的に連動し、それぞれのプラットフォームの強みや役割を活かしている。多くの人にリーチできるインスタグラムで企画の認知を広げ、誌面ではインタビューが展開。イベントでは会場に来た人だけが得られる特別体験を提供し、最後にまたインスタグラムでその様子を発信することで、より体験価値を高めることができた良い事例だ。