多角的なアプローチでコミュニティー活性化へ インスタグラムやスレッズの現在地は?
大平:利用者がインスタグラムを開く理由のひとつに、クリエイターによるコンテンツを楽しむ目的がある。私たちはクリエイターが自分自身を表現して、ファンを獲得し、コミュニティーを育くむことで収益を得られるプラットフォームを作るためにさまざまな機能を継続して開発している。昨年は「サブスクリプション」「一斉配信チャンネル」「ギフト」機能を追加した。
2023年7月にローンチした新プラットフォーム
スレッズの展望
WWD:昨年は新たにスレッズが登場したことも話題になった。
大平:23年7月に提供を開始したスレッズは、インスタグラムのチームが開発したテキストでつながる新しいアプリだ。アカウントはインスタグラムとひも付き、双方のプラットフォームを行き来することができる。そのため、使い始めてすぐにある程度のオーディエンスを獲得でき、コミュニティーを構築しやすい。また、1投稿で使える文字数が500文字と他のテキスト型プラットフォームと比べて多いのも特徴だ。現在スレッズの世界のアクティブ数は1.3億に達し、大きな盛り上がりを見せている。特に日本はテキストでの表現を好む人が多い国でもあるため、非常に好調だと言える。
インスタグラム責任者のアダム・モッセーリ(Adam Mosseri)が、利用者に「どんな機能が欲しい?」などスレッズで呼びかけを行い、実際に新機能を拡充している。メタがコミュニティー活性化を大切にしているわかりやすい一例だ。インスタグラムでは交流がなかった利用者同士の間でも、スレッズをきっかけに新たな会話がたくさん生まれている。
将来的には非中央集権型のSNSプロトコル、アクティビティ・パブ(ActivityPub)に対応することにより、ドイツのソーシャルメディア・マストドン(Mastodon)や、コンテンツ管理システムであるワードプレス(Wordpress)といった他のアプリとの相互運用も可能になる予定だ。