なぜ「バッテリー上がり」は起こる? この“前兆”に思い当たったら要注意!
とつぜんクルマのエンジンがかからなくなった場合、どうすればいいのだろうか? もしかすると、それはバッテリーが上がったせいかもしれない。もしもの時に備えて「バッテリーあがり(上がり)」の原因と対処・対策を確認しておこう。 【画像を見る】年末年始・ゴールデンウィーク・お盆期間それぞれの救援理由トップ10はコレだ!
最も救援要請が多いクルマのトラブル「バッテリー上がり」
クルマにはエンジンを始動させたり、電装品を使用するために、充電可能な電池(バッテリー)が積まれている。このバッテリーの蓄電量が不足した状態に陥ると、エンジンを始動させるセルモーターが動かなくなり、走行ができなくなる。また、ライト類などの電装品も使用できなくなる厄介なクルマのトラブルが「バッテリー上がり」だ。 JAFが発表している「ロードサービス 主な出動理由」では、一般道で4輪車の場合、バッテリー上がりは常に救援要請理由で第1位だ。“過放電”によるバッテリー上がりの件数を確認してみると、2023年度のゴールデンウィーク期間の救援要請は2万1228件、お盆期間は1万1931件、年末年始期間は3万3806件と、1年を通してバッテリー上がりが発生していることがよくわかる。
バッテリー上がりの原因はなに?
JAFの出動理由にあるように、バッテリー上がりの代表的な原因にはバッテリーの「過放電」と「破損・劣化」がある。それぞれどのような具体例があるのか、確認してみよう。 ■バッテリーの過放電 ・長期間クルマに乗らない(エンジンをかけない)ことによる自然放電 ・エンジン停止状態でライト類をつけっぱなしにした。またはドアが閉まっていない(半ドア)状態で放置した ・エンジンはかかっていたが、エアコンやライト類、オーディオなどの同時使用で、バッテリーを酷使 クルマはエンジンがかかった状態だと、バッテリーに充電をしてくれるが、蓄電された電力がなくなると、バッテリー不足になる。バッテリーの電力は空調ファンなどはもちろん、パワーウインドウ、ルームランプ、ヘッドライト、ワイパー、オーディオ、カーナビ、ドライブレコーダーなど、さまざまな用途で消耗する。 クルマが発電する電力に対して消費電力がこれを上回り続けると、バッテリーが不足してしまうので、夏の冷房や冬の暖房、雨が降っている夜間など、電装品を複数使用するシーンでの走行は要注意だ。 ■バッテリーの破損・劣化 ・事故等の衝撃でバッテリーそのものが破損 ・バッテリーが劣化した(容量の低下、極板の剥がれなど) ・バッテリーが膨張した クルマの走行環境で前後するが、バッテリーの寿命は一般的には2~3年と言われている。バッテリーは寿命が近付くと、エンジン始動時のセルモーターの回転が弱まったり、ライト類の明るさが不安定になったりする。バッテリーの膨張や破損に、バッテリー液の残量のバラつきといった、外見上の変化で気付けることもある。