浸水被害も8年連続年内操業 与論島製糖 生産量2万2250トン見込む
鹿児島県の与論島製糖(立花信宏社長)は16日、2024~25年期の原料サトウキビ搬入、製糖を始めた。同社与論事業所は、先月の大雨で施設が水に漬かる被害に遭い、一時は操業日が未定となるなどスケジュールへの影響も懸念されたが、迅速な復旧作業により8年連続の年内操業にこぎ着けた。同事業所によると、今期の生産量は11月1日現在で2万2250トン(前期実績比2653トン増)を見込む。 同事業所は先月8日から9日にかけての記録的な大雨で工場の地下が一時水没し、1階部分も浸水。配電施設も水に漬かった。 その後、電気系統を中心とした設備の点検や復旧作業を急ピッチで進め、例年より約2週間遅れの機器試運転を経て、今月5日の与論町さとうきび製糖対策会議で年内操業が決まった。 搬入は年内が26日まで。年明け1月7日から再開し、3月18日に製糖を終える計画。収穫面積は404ヘクタール(同1ヘクタール減)。10アール当たりの収量(単収)は5・5トン(同0・7トン増)を見込んでいる。 この日は工場敷地内で社員や関係機関の代表者らが参加して安全祈願の神事を執り行った後、製糖開始式を開いた。 与論事業所の中野貴志所長は南海日日新聞社の取材に対し、「いろんな協力がありながら、今年また製糖の開始日を迎えられたことに感謝したい。一番大事なのは安全。地域の皆さんも含め、通勤や輸送の交通安全に注意していただき、無事故で製糖終了を迎えたい」と話した。