第93回選抜高校野球 東海大相模、春再び 憧れの舞台で一丸(その1) /神奈川
◇「日本一取りにいく」 第93回選抜高校野球大会(毎日新聞社、日本高校野球連盟主催)の出場校を決める選考会が29日、オンラインで開かれ、県内からは東海大相模が選ばれた。新型コロナウイルスの影響で中止となった前回大会に続き2年連続12回目の選出で、2011年以来の優勝を目指す。出場決定の知らせを受けた選手たちは笑顔を見せ、憧れの舞台での健闘を誓った。組み合わせ抽選会は2月23日。大会は3月19日に兵庫県西宮市の阪神甲子園球場で開幕し、出場32校が熱戦を繰り広げる。【宮島麻実、池田直】 東海大相模に吉報が届いたのは午後3時45分ごろ。同校校長室で電話が鳴った。受話器をとった土井崇司校長は「ありがたくお受けいたします」と笑顔を見せた。 グラウンドに真剣な面持ちで整列した野球部員は、土井校長から「出場が決まりました。おめでとうございます。頑張ってください」と伝えられると、「はい」と大きな声で力強く応じた。 秋季関東地区大会では8強止まりだった東海大相模。門馬敬治監督は「選ばれるか選ばれないか、いろんな思いがあった」と振り返る。潜在的な力の高さを評価され、東京・関東地区で出場する6校目に選ばれた。 20年は出場が決まっていたが、新型コロナウイルスの影響で大会そのものが中止になった。打線の中心となる柴田疾(はやて)選手(2年)は「去年の先輩方は甲子園を『特別な場所』だと言っていた。チームの一員として貢献し、日本一を取りにいきたい」と意気込んだ。 門馬監督は「選んでいただけたことに感謝。今の1年生、2年生は経験値がない分、伸びしろがあり、これからというチーム。さらに磨きをかけていきたい」と話した。大塚瑠晏(るあん)主将(同)は「うれしい気持ちとほっとした気持ち」と笑顔を浮かべた後、「甲子園は決まったがこれがゴールじゃない。チーム一丸となって日本一を目指したい」と決意を語った。 ◇持てる力存分に 相模原市長 相模原市の本村賢太郎市長は、東海大相模のセンバツ出場について「2年連続となる出場決定、おめでとうございます。コロナ禍の中、例年通りの練習や対外試合ができずご苦労されたと思います。大会の開催が見送られた昨年の思いも胸に、甲子園の大舞台で持てる力を存分に発揮され、紫紺の優勝旗を10年ぶりに相模原へ持ち帰られることを、市民とともに期待しています」とコメントした。 ……………………………………………………………………………………………………… ◇東海大相模◇ 1963年に開校した私立校。元衆院議員の故松前重義氏によって創立された「望星学塾」を礎とする東海大学付属高校の一つで、男女1831人が通う。部活動が盛んで、高校3冠を達成したことがある柔道部をはじめ、ラグビー部やバスケットボール部など全国レベルの力を持つ運動部が多い。柔道部は五輪金メダリストの山下泰裕さんや井上康生さんを輩出している。学校創立と同時に創部された野球部は甲子園に春夏通算22回出場し、2011年春や15年夏など4度の全国制覇を誇る。OBには巨人の原辰徳監督や菅野智之投手、中日の小笠原慎之介投手などプロ野球選手が多数いる。相模原市南区相南3の33の1、土井崇司校長。