タイガーやマキロイが意識的にやっている超一流の技術 アマチュアはマネていい?【謎キャラコーチ『わきゅう』の気になる話♯77】
一昨年の全米女子アマを制し、23年12月のプロテストで合格した馬場咲希プロを、中学1年から指導しているのがプロコーチの坂詰和久(さかづめかずひさ)、通称『わきゅう』だ。坂詰コーチと20年以上の付き合いがあるベテラン編集者Oが、謎キャラコーチの気になる話を聞き出す。今回は「超一流選手は腕を使う」がテーマだ。 松山英樹の超一流の技術【アイアンショット連続写真】
超一流のプレーヤーは、意識的に腕を振っている!?
坂詰 ボク、自分が教えているプロには、よく「腕を振るな」って言ってるんです。もちろん、少しくらい腕を振っていても構わないんですが、やっぱり、常に腕が胸の正面にあって、腕と体が同調しているスウィングのほうが再現性は高いですからね。プロだったら、なるべくそこに近づいてもらいたいと考えているんですよ。 O編 腕を振るっていうのは、腕を左右に動かして、腕が胸の正面から外れちゃう動きだよね? 坂詰 極端な場合はそうなりますね。あとは、意識的に腕を動かしているときにも、「腕を振っている」と言ったりします。 O編 腕と体が完全に同調しているのが理想だけど、それはプロでもなかなか難しいって言ってたよね。 坂詰 そうですね。「プロは手や腕を使っていない」と信じている人が多いんですが、そんなことはなくて、ほとんどの選手が多少は腕を振っているんです。 O編 それは無意識のうちにって、いう意味? 坂詰 無意識に使っている選手が多いんですが、超一流のプレーヤーが、意識的に腕を振っているケースもあるんですよ。 O編 そうなの? 坂詰 たとえば、タイガー・ウッズなども、インタビューに「人に勧めることはないけれど、自分は意識的に腕を振っている」と答えているんですよ。 O編 へぇ~。タイガーなんて、手や腕を使わない代表選手だと思っていたけどね。 坂詰 ですよね。でも、タイガーが全盛の頃って、体のスピードが半端なかったじゃないですか。そうすると、腰の回転が速すぎて、クラブがめちゃくちゃ遅れちゃうらしいんです。 O編 あぁ、なるほど。そのクラブの遅れを取り戻すために、腕を振って間に合わせるのか。パワーやスピードがあると羨ましく思うけれど、それが原因で、我々にはない悩みも生まれるんだね。 坂詰 そういうことです。これはあくまで、腰の回転が極端に速いタイガーならではの意識ですけどね。 O編 そう考えると、手や腕を意識的に使っているプロはほかにもいそうだよね。