トルコの「無課金おじさん」、あの射撃スタイルで今度は商標を撃ち抜く? 登録申請の行方は
●今回のような申請は「国内外を問わず多く見られる」
──今回の申請は本人以外が無許可で商標登録しようとしていることに対抗するためと報じられていますが、よくあることなのでしょうか。 自身に関係する商標を保護するべく商標出願するケースは、国内外を問わず多く見られます(ちなみに、今回の商標は登録できるすべての区分に対して出願しており、非常に広い範囲での登録を目指しています)。 実際、日本においても、ベストライセンス株式会社という企業が大量に商標登録出願をしていた、というニュースが話題になったことがあります。 同社の行動は、商標を登録してその使用権を独占し、当該商標を使用したい会社に対して、当該登録商標の買取りを求めるなどといったことを意図してのものと考えられており、「商標トロール」(自身のビジネスにおいて使用の意思がないにも関わらず、他社が使っている商標・使うであろう商標を取得する人や会社)といわれています。 特許庁もこういった商標トロールを問題視しており、過去にホームページ上で注意喚起を発したこともあります。 商標登録は、無関係の第三者がするケースのほか、所属タレントの芸名を事務所が行うといったケースもありますが、事務所退所等に関連して芸名等でトラブルになるケースもあります。 商標は、企業や個人のブランド等を保護するために登録することも推奨されますが、登録に際してトラブルになることもありますので、慎重な対応が必要な場合もあるところです。
【取材協力弁護士】 舟橋 和宏(ふなばし・かずひろ)弁護士 芸能・エンターテインメント案件を多く取り扱うレイ法律事務所に所属。同事務所においては、マンガ・アニメ・映像コンテンツ等の知的財産権(特に、著作権・商標権保護)を多く扱う。著書として「実務がわかるハンドブック 契約法務・トラブル対応の基本[国内契約書編](第一法規)」等。 事務所名:レイ法律事務所 事務所URL:https://rei-law.com/