着陸直前のはやぶさ2 JAXA会見(全文1)降下に備えて探査機の設定を変更
タッチダウン成功の基準は?
産経新聞:産経新聞の【クサカ 00:14:06】と申します。よろしくお願いします。基本的なところからなんですが、この今回のタッチダウンの成功の基準というんですかね、何をもってすれば成功とするかというところなんですが、半径3メートルのところにタッチダウンするということを目指していらっしゃるんですが、仮にここを外れたとしてもタッチダウンして上昇すれば成功と見なされるんでしょうか。 久保田:成功基準は2つございまして、1つは「はやぶさ2」が降下して、タッチダウンして、戻ってきて、探査機が正常であること。それから2つ目が予定のシーケンスを全てクリアすることの2つです。ですから万が一少しずれたところであっても、探査機が正常に戻ってきて、シーケンスが進めばそれは成功と考えます。 産経新聞:例えば円内に外れて、E1領域の中であっても、あるいはE1領域の外で、例えば変なボルダーの上にちょんと乗ってしまっても、上がれば、機体が健全であれば成功と見なすということですか。 久保田:そのとおりです。一応目標がこの6メートルの枠ですけども、少し外れたり、乗り上げてどこかのところで行ったとしても、探査機がまず正常であることと、シーケンスが全ていったということ。タッチダウンしないでということはないので、触るとシーケンスが動きますので、何かに触れたということは分かりますので、それをもって成功と思いますが、弾丸が撃ったかどうかの確認はシーケンスだけではなくて、実際に弾丸が出たかどうかの確認はたぶんすぐにはできないので、後日分かると思いますけども、シーケンス上は全ていったところで、まずひとまずタッチダウンを行えたというふうに考えます。 産経新聞:ですからサンプルの採取うんぬん、弾丸の発射とかサンプル採取うんぬんにかかわらず、もうその着地というか、タッチダウンしたか否かというところでこの運用の成否はご覧になる。 久保田:はい。と考えています。 産経新聞:あと前回の会見、説明会で津田先生が、工学的に100%ということはおおよそないんだけれどもということをおっしゃっていましたけども、工学的に100%でないということで、幾つかリスクのシナリオっていうことがあるんだと思うのですが、考えられる失敗という言葉はあれかもしれませんけど、リスクのシナリオの想定っていうものはどういうものがあるのかということと、その可能性っていうのはどういうふうに考えてらっしゃるかっていうのをちょっと教えていただきたいのですが。 久保田:100%ではなかなかないんですけれども、今回はまず、ターゲットマーカを落としてそこに向かっていくわけですけども、過去のリハーサルからその上空に行けると思っていますが、万が一、少しずれたところでターゲットマーカが捕捉できなかったときはアボートするということ。それから想定したよりも例えばずれて、でこぼこ度が大きかったらアボートするって、幾つか、かなり厳しめにしています。 先日2.7メートルと言ったのは、あらゆることを考えて、100ではないんですがほぼ、九十九点数%はその中に入ると思っていますが、惑星探査って何が起こるか分からないので、その残りの部分に関してはガードを固めて何かあったら戻ってくる仕掛けをするということで、対応するということで、リスクをなるべく回避するということを考えています。 産経新聞:くれぐれもアボートをすることは別に失敗ではなくて、延期というか、中止というか、ですよね。で、考えたくはないですが、一応ちょっと僕ら準備のため、いろんなことを考えなきゃいけないので伺うんですけど、もしなんか、アボートでもない失敗みたいなこと、つまり何か取り返しが、不可逆的な何かが起こってしまうとかっていうことの可能性にとかについては、どう。なんか。 久保田:そういうことがないように、あらゆることを考えてガードを掛けているつもりなので、今はなかなかそういうことは想定できないですね。途中でコンピューターがなんらかの影響で止まったりっていうことがありますと、セーフホールドに入って、すぐ戻るとか、そういう対策を取っていますので、今考えられる範囲ではそういうことが起きないように。ですからアボートすることはあるかもしれませんけど、それは1つの手段というふうに考えていますので、それ以外で何かっていうことは、今はちょっと考えられない。いろんなことを考えて、対策を取ってきたという状況です。 産経新聞:今、考えられることはタッチダウンの成功、またはアボート以外にはないということですか。 久保田:はい。何か故障したときにどうなるかというのも含めて考えてきています。 産経新聞:分かりました。ありがとうございます。 司会:ではほかの質問。では2列目の真ん中の方ですね。【トミヤマ 00:18:57】記者。