MADE IN FRANCEの羽毛にこだわった「PYRENEX(ピレネックス)」のダウンジャケット
このモデルはシリーズのメインアイテムである『BARRY3 MAT(バリー3 マット)』という日本限定モデルで、表地には、キルトステッチを用いない『チューブ』と呼ばれるテクノロジーファブリックを使用しています。ダウンキルト部分がステッチのように見えますが、これは糸を交差させた織り構造の特殊技術で仕上げた生地を使用しています。 このシリーズはラインナップと生産数はごく限られているため、希少性が高く、PYRENEXのクラフトマンシップがより濃密に注がれています」
160年かけて培った羽毛加工のノウハウ
PYRENEXの一番のこだわりは、やはりMADE IN FRANCEの羽毛ではないだろうか。最後にラボの様子をのぞかせてもらおう。
「羽毛加工は、まず羽毛になる前の原毛の洗浄工程から入ります。1回目の洗浄で油分を3%まで落とします。原毛には15%~18%の油分が含まれていますが、油分を0%までは落としません。これは羽毛も人間の髪の毛と同じで、多少の油分を含んでいないと組織が壊れてしまい、本来の力を十分に発揮することができないためです。
その後、110℃の熱風で羽毛を乾燥させます。この工程にはバクテリア等を殺菌する効果もあり、羽毛の状態が安定し、長期の保存が可能となります。
その後5段階に選別され、製品としての羽毛になっていきます。PYRENEXはこの羽毛加工に160年以上取り組んでおり、そのなかで得たたくさんのノウハウが反映されています」
PYRENEXが持つ羽毛への深い知識と歴史を見てきて、それぞれのモデルの魅力を感じてもらえたのではないだろうか、PYRENEXは現在銀座の旗艦店と全国のセレクトショップなどで取り扱いがある。良質なフレンチダウンの暖かさをぜひ体感してほしい。 [1]フィルパワーとは数値が大きいほど空気を多く含むため、保温性に優れた良質なダウンといえる。フィルパワーが大きいと、少ない量のダウンでかさ高いダウンを作ることができるため、軽いウエアとなる。
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