5万人クルスク進撃に合わせ朝ロ条約批准…韓半島に最も危険な「69日間の賭け」始まった(2)
実際にプーチン大統領はトランプ氏が大統領選挙期間に「現在の境界線」を基準としてロシアと交渉ができるという趣旨でウクライナ戦解決策を提示しただけに、終戦時により有利な国境線を引こうとする激戦を敢行する可能性が大きい。 金委員長の立場でもウクライナ戦争で開かれた機会を最大限に活用してロシアとの密着速度を高める可能性が大きい。武器輸出と派兵を最大限増やして先端軍事技術などの移転を受け慢性的に不足する統治資金まで稼ぐことができるためだ。 韓国政府内外では朝ロ両国が新しい条約を軸にウクライナ戦争後も軍事協力を継続する根拠を用意したという懸念も出ている。これと関連し、プーチン大統領は7日にロシア南部のソチで開かれたバルダイ討論クラブ本会議で条約に言及し、「われわれは訓練をすることもできる。なぜできないのか」と話すなど両国の合同軍事訓練の可能性も言及した。 また、朝ロ条約は軍事協力だけでなく科学技術、貿易、投資、エネルギー、農業教育などの分野で両国が全方向で協力するという内容を含んでいる。これに伴い、金委員長も今回の派兵を根拠に自身の政治スケジュールに沿って必要な経済・国防関連の反対給付をロシア側にさらに積極的に要求する可能性が大きいというのが専門家らの大まかな観測だ。 ◇韓国政府、これといった対応案ない 尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領は先月18日、北朝鮮の戦闘兵のロシア派兵にともなう緊急安全保障会議を主宰した席で、「国際社会と共同で使えるすべての手段を動員して対応していくことにした」と公言した。その後「朝ロ軍事協力の進展にともなう段階別措置を積極的に取っていく」という対応方針を出した。北朝鮮軍が実戦に投入されればどんな方法ででも対応を示す必要がある。 ただ韓国が独自に出せる実質的な対応案がなく、トランプ氏のウクライナへのアプローチ法が確定していない状況で具体的なアクションプランを速やかに用意しにくい立場だ。 また、北朝鮮軍のロシア派兵は本質的に朝ロが各自の一時的な需要によって敢行した逸脱行為に近いため同じ水準で対応すること自体が不必要だという専門家らの提言もある。国際社会の動きと歩調を合わせはするが先走る必要はないという声が政府内外で大きくなる理由だ。 ただ金委員長が第2次トランプ政権の正式発足を控えて北朝鮮の核問題を優先順位に上げるため「声東撃西」式の挑発に出る可能性には備えなければならないと指摘される。場合により「金正恩の決心だけ残っている」という評価を受ける7回目の核実験や米国本土を直接狙った大陸間弾道ミサイル(ICBM)正常角度発射に出る可能性もある。