<アグレッシブ・’21センバツ東海大甲府>第4部 戦力分析/下 守備 投手陣の成長光る 実戦形式で堅守に磨き /山梨
エース左腕・若山恵斗投手(3年)に続く2番手投手の育成が課題だったが、「冬場の練習で投手のレベルが全体的に上がった」と村中秀人監督は目を細める。 その筆頭は、左腕の加藤太陽(ひかる)投手(同)だ。冬の間、走り込みやタイヤ押しで下半身強化に努めた。決め球のスライダーは握り方を変え直球と同じ腕の振り方にしたことで、キレが増し、三振が取りやすくなった。 最速143キロの直球が武器の本格派右腕・赤井海人(かいと)投手(同)は秋季大会後、外野手との“二刀流”に取り組んでいる。「体全体を使って送球する動きがピッチングにも生きている」と言うように、球威やキレにつながっている。変化球の球種も増え、「強い気持ちで相手打線を抑えたい」と意気込む。 制球力の高いサイドスロー右腕・山口優星投手(2年)はこの冬、打者の手元で落ちるチェンジアップに磨きをかけた。さらにサイドスロー左腕・佐瀬栞太(かんた)投手(3年)が新たに投手陣に加わった。 若山投手は他の投手の成長について「頼もしいし、刺激にもなる」と話す一方、「全試合完投するくらいの気持ちで投げたい」とエースのプライドをのぞかせる。今冬は下半身や握力を強化し、変化球の精度を上げた。東海大相模(神奈川)との初戦に向け、「全イニング集中し、無失点で抑えたい」と決意を示した。 ◇ 「このチームの強みは守備」と三浦諒太主将(3年)が話すように、秋季公式戦8試合の失策は計6。その堅守をさらに強化しようと、秋季大会後は「無死一塁」など具体的な場面を想定した実戦形式の練習を重ねてきた。 内野は守備力に定評がある中沢空芽(くうが)遊撃手(同)を中心にまとまる。打球への反応の早さが強みだ。後藤紘和(ひろより)三塁手(同)は正確なグラブさばきと送球の速さが持ち味。また、外野では猪ノ口絢太中堅手(2年)が俊足を生かし、守備範囲が広い。 三浦主将は「秋季大会のように、守備から良いリズムを作って攻撃につなげたい」とセンバツへの意気込みを語る。【金子昇太】