富裕層であれば、資産運用の手段として「投資信託」を選ばない理由
海外の富裕層にとって米ドル債券はもっともポピュラーな投資先です。米ドル債券に投資する際、投資の方法として「個別債券」か「投資信託」のどちらかを選ぶ必要がありますが、富裕層は投資信託ではなく、個別債券を選ぶ人が多いようです。一体なぜでしょうか。本記事では、世古口俊介氏の著書『富裕層のための米ドル債券投資戦略』(総合法令出版)より一部を抜粋し、個別債券で投資する米ドル債券について解説していきます。 【早見表】毎月1万円を積み立て「預金」と「NISA」を比較…5年~40年でどれくらい差がつくか
富裕層は投資信託より個別債券
米ドル債券は「個別債券」か「投資信託」のどちらかの方法で投資することになります。個別債券は〇〇銀行が発行している利率5%の米ドル建て債券に直接、投資するというイメージです。投資信託はみんなでお金を集めて、さまざまな個別債券に投資します。 それぞれメリット、デメリットがありますが富裕層の場合は、とりわけ個別債券に投資することが多いです。 理由は、投資信託だといろいろな債券に投資しているので、全体の平均利回り4%、格付けBBB+、期間10年とその投資信託で決められたパッケージの経済効果しか得られませんが、個別債券を組み合わせれば自身が望む発行体、利率、利回り、期間のまさにオリジナルの米ドル債券ポートフォリオを作ることができるからです。 個別債券への投資リスクは発行体の倒産リスクが集中しやすいことですが、富裕層は投資金額が大きく複数の個別債券に投資し、倒産リスクを分散できます。個別債券の最低投資金額は5万米ドルであることが多いので、投資金額が1.5億円あれば最大で20債券に分散でき、1社が倒産しすべて損失になったとしても債券ポートフォリオに与えるダメージを5%まで抑えることができます。資産に余裕がある富裕層が出来合いのパッケージ商品(投資信託)よりオリジナルの特注品(個別債券)を選ぶのは当然の結果だと思います。 ここでは富裕層により、需要が高い個別債券を前提に米ドル債券の説明を行います。