『3000万』秋ドラマ最終回注目度1位 『宙わたる教室』とNHKが高数値でトップ2占める
「学ぶよろこび」が爽やかに描かれた作品
2位の『宙わたる教室』は、初回ランキングで15位だったが、SNSなどを中心に評判が広がり、大きく順位を上げての2位ランクインとなった。 伊与原新氏の同名小説をドラマ化した本作品の舞台は、東京・新宿にある定時制高校。さまざまな事情を抱えた生徒たちが通うその学校に、惑星科学の研究者である藤竹叶(窪田正孝)が、教師として赴任してくるところから物語が始まる。それぞれの生徒が抱える事情や、悩み苦しみながらも一歩を踏み出す姿、そして年齢もバックグラウンドもバラバラな生徒たちが「学ぶこと」を通して心を通わせていく様子が丁寧に描かれた。 これまで学校を舞台にしたドラマは数多くつくられてきたが、これほどまでに「学ぶよろこび」が爽やかに描かれた作品はあまりなかったのではないだろうか。よくある学園モノとは一線を画す内容に、初回放送後からSNSでは「すごくいいドラマ」「めちゃくちゃ泣ける」との声が上がっていた。このような投稿を目にした人が視聴するようになり、最終回の高い注目度につながったと考えられる。 特に女性からの支持が高く、注目度の数値では男性と比較すると10ポイント以上の差があった。静かで心が洗われるような感動を呼ぶ作風が、特に女性の心をつかんだ結果だといえるだろう。 ■「日曜劇場」への高い期待値 3位のTBS日曜劇場『海に眠るダイヤモンド』は、初回・最終回ともに世帯視聴率1位を獲得(REVISIO調べ)。多くの人の関心を集めていたドラマであることがわかる。日曜劇場は、今回に限らず常に安定した視聴率を誇っており、それだけこの「日曜劇場」というドラマ枠に対する視聴者の期待値が高いことがうかがえる。 昭和の時代に石炭産業で栄えた長崎県・端島と、現代の東京を舞台に、70年にわたる愛と友情と青春、家族の物語を描いた本作品。初回から豪華なキャストや壮大なセット、スケールの大きいストーリーに注目が集まり、大きな話題を呼んだ。その後、回を追うごとにストーリーに深みが増し、初回は64.9%だった個人全体注目度が最終回では66.1%にまで上昇。多くの視聴者を引き込んだことがわかる。 この『海に眠るダイヤモンド』は、本ランキングの対象となったドラマの中では唯一、最終回が2時間スペシャルとして放送された。一般的には、放送時間が長くなればなるほど視聴者の集中力が途切れやすくなるため、ながら見や離脱が発生しやすくなる。しかし、その中でも3位にランクインするほど高い注目度を記録したことからも、いかに本作品が視聴者をくぎづけにする魅力を持っていたのかがわかるだろう。