隈研吾さん、福井県立大学の恐竜学部棟を設計 「キャンパス建築の集大成になる」
2025年4月の福井県立大学恐竜学部開設に向け、学部棟の設計を担う建築家隈研吾さんが10月11日、勝山市の建設現場を訪れ、地層を表現する外壁のサンプルを確認した。隈さんは「ほぼイメージ通りで一安心。世界で初めての学部であり、世界に発信する力のある建物にしたい」と意気込みを語った。 学部棟は同市の県立恐竜博物館に隣接して整備され、設計は国立競技場などに関わった隈さんの「隈研吾建築都市設計事務所」(東京)が担った。学部棟は主に鉄筋コンクリート3階建て。高速、高圧で水を噴射する「ウオータージェット」で外壁のコンクリートを削り、細かい凹凸を付けることで、化石が眠る地層を表現する。 この日は、同事務所の担当者からコンクリートの削り具合や色合いなどの説明を受けた。隈さんは「(勝山市では)迫力ある地層から恐竜が発掘されており、そこにどこまで肉薄できるかというのがイメージの原点。今回はキャンパス建築の集大成となる」と話した。県立恐竜博物館が近いことや自然環境の豊かさを利点に上げ「今までにない、野性的で知的な学生が出てきてほしい」と期待した。 恐竜学部は、恐竜学や地質・古気候学などを学ぶ全国初の学部。1年時は永平寺町の永平寺キャンパスで一般教育科目を受講し、学部棟は26年度から供用開始する。