理想の未来は「自然林のよう」。妥当な競争と自分らしさ生かす調和的社会
大きなビルと巨木、緑溢れた未来の東京
で、人間も同じだと思うのです。幸せな世界とは、すべての人間が、それぞれの多様性を生かして、信頼し合い、尊敬し合い、生きる世界。組織やルールで型にはめられたマニュアル人間としてではなく、自然の動物や植物のように自由でありのままに生きる世界。 そして、そんな世界は、環境も森のようであってほしいと思います。以前、あるハウスメーカーの役員の方が、「日本は植物がすぐに育つから、日本の街を美しくするためには、もっと緑を増やすに限る」とおっしゃっていたことに強く賛同します。科学技術が発展した未来社会だからこそ、遠隔通信や遠隔勤務も活かして、自然林の中で自然と共に生きるような世界が実現できるのではないかと思います。 長期的には都会の森化は可能だと思います。これからは人口が減っていきますから、都市で人が減ったぶん緑化を推進していけばいいと思うのです。もちろん地方はすでに自然が豊かですから、このままそれを活かしていけばいい。さらには、針葉樹だけになってしまった人工林も、すこしずつ自然林に戻していくのがいいと思います。そうすれば自然の多様性は高まりますし、スギ花粉も減りますし。人々の家は、森の中になるべく隠れるように建っているのがいいと思います。 大きなビルと巨木が天に向かってともに伸び、そこで生き生きと人々が暮らす、緑に溢れた未来の東京が楽しみです。 【参考図書】 ・前野隆司,幸せの日本論―日本人という謎を解く ,角川新書,2015年 ・前野隆司,幸せのメカニズム-実践・幸福学入門,講談社現代新書,2013年 ・木村秋則,リンゴが教えてくれたこと,日経プレミアシリーズ 新書 ,2009年 ・フレデリック・ラルー,ティール組織―マネジメントの常識を覆す次世代型組織の出現,英治出版,2018年 ・武井浩三 ,社長も投票で決める会社をやってみた。,WAVE出版,2018年 ※次回は5月30日ごろ掲載予定です。