ついに1000万円超え アルファードとヴェルファイアにPHEVとエントリー・モデルが登場
同時に一部改良を実施
トヨタのフラッグシップ・ミニバンである「アルファード」と「ヴェルファイア」に、ミニバンでは日本で初となるプラグイン・ハイブリッド(PHEV)が設定されるとともに、一部改良が行われた。 【写真36枚】日本のミニバンとしては初となるPHEVモデルが追加されたトヨタ・アルファード&ヴェルファイアの詳細画像をチェック ◆2.5リッター直4ベース 搭載されるプラグイン・ハイブリッド・システムは、「ハリアー」や「クラウン・スポーツ」のPHEVに採用されている2.5リッター直4ベースのユニットとなる。 ◆システム出力は306ps 出力密度の高い駆動用モーターの搭載によりシステム最高出力は306ps、WLTCのハイブリッド燃費は16.7km/リッターを達成。先読みEV/HEVモード切り替え制御を採用することで、目的地までの経路における各区間、例えば市街地か山岳路かの走行負荷を先読みし、最適な区間でEV走行することにより効率的な走りと低燃費に寄与する。 また、モーターアシストの領域が広がり、エンジン回転数が抑制することでエンジンノイズを低減。インパネやドアなどの内装材への遮音材の追加、ボディ骨格内へのウレタンスポンジ追加などによりロードノイズを低減し、静粛性を高めている。さらに、停止間際の急激なノーズダウン(ノーズダイブ)を抑制する「スムーズストップ」制御が新たに採用されるなど、乗員の姿勢を安定させることで上質な乗り心地を実現している。 ◆EV走行距離は73km 大容量リチウムイオンバッテリーは車体中央床下に配置。広大なキャビンはそのままに、さらなる低重心化(ハイブリッド比でマイナス35mm)が図られ、ボディ骨格の最適化もあって揺れの少ない快適な乗り心地と安定した走りが追求されている。EV走行が可能(EV走行換算距離73km)。長距離移動時には、エンジンを併用することでハイブリッドとして走行でき、電欠の心配も不要だ。 充電は、普通充電と急速充電に対応し、充電時間は約38分(満充電量の約80%)と普段の200V用充電ケーブルを使った場合と比べて大幅に短縮された。また、停電や災害時などの緊急時やアウトドアで重宝する最大1500W(AC100V)の外部給電機能も標準装備されている。付属のヴィークルパワーコネクターを充電インレットに差し込むことで、AC100V/1500Wの外部給電コンセントとしても活用できる。 ◆電家庭用電源として使える 給電機能にも対応。別売りのV2H機器と接続することで、バッテリーに蓄えた電力を家庭用電源として利用可能となっている。また、レジャーやアウトドアで利用できる「EV給電モード」と、停電や災害などの非常時にクルマを電源として活用できる「HV給電モード」を設定。HV給電モードでは最初はバッテリーのみで給電し、バッテリーが一定の残量を下回るとエンジンがかかり給電を継続。バッテリー満充電かつガソリン満タンの状態から約5.5日分の電力が供給可能となっている。 内外装では、上質さを漂わせる「シルバー・スパッタリング」塗装の専用19インチ・アルミホイールを標準装備。本杢ステアリング・ホイール、ウルトラスエード貼りの天井の採用により、高級感もさらに引き上げられている。 ◆8人乗りのXを追加 PHEVの追加と同時に行われたハイブリッド、およびガソリン車の一部改良では、前後ドライブレコーダーを備えたデジタル・インナーミラーが全車に標準化されたのが朗報だ。「JBLプレミアムサウンドシステム」(15スピーカー)と「14インチ・リアシート・エンターテインメント・システム」の設定が「Z」、「Zプレミア」にも拡大され、エンタメ機能の充実化を図ることができる。 アルファードのハイブリッドには、8人乗りの「X」グレードが追加。また、ヴェルファイアのボディ・カラーにアグレッシブさをより際立てる専用の「プレシャスメタル」が新たに設定され、全3色展開になるなど、選択肢が拡大しているのも見逃せない。 ◆PHEVは1065万円~ アルファードの価格は、510万~1065万円で、PHEVは1065万円。ヴェルファイアの価格は670万~1085万円で、PHEVは1085万円となっている。 PHEVは2025年1月31日に発売され、ガソリン車とハイブリッド車(HEV)は2025年1月7日に発売される。 ファミリー・ユースを中心にVIP向けなど幅広いニーズを満たしている現代の高級車と言えるアルファードとヴェルファイア。個人ユーザーはもちろん、とくに環境負荷への低減が求められる法人でもPHEVの設定により注目度が高まるだろう。 文=塚田勝弘 (ENGINE WEBオリジナル)
ENGINE編集部