英中銀、金利5.25%で据え置き-利下げ支持に近づく委員が増加か
一方で、5月の総合インフレ率がほぼ3年ぶりに中銀目標である2%まで低下したとはいえ、サービス部門の国内価格圧力が根強いことによるリスクを指摘する声もあった。
ベイリー総裁は議事録と同時に発表された声明で、インフレ率が2%に低下したことは「朗報だ」とした上で、「インフレが低水準にとどまると確認する必要があり、そのために今のところ金利を5.25%に据え置くことを決めた」と説明した。
7月4日の総選挙を前に政策委員らはコメントを控えているため、予想外の内容だった最近のデータが委員らの考えにどのような影響を及ぼしているのか今回の会合まで明白でなかった。
総合インフレ率は2%まで低下したものの、政策委員が注目するサービス価格と賃金の上昇圧力は根強く、ここ数カ月に市場が見込む年内の利下げ見通しは後退。5月のサービス価格のインフレ率について中銀は5.3%への低下を予想していたが、実際は5.7%となるなど、2つの指標はインフレ目標の持続的な達成には高過ぎるとみられている。
中銀は20日、4-6月(第2四半期)の成長がかなり強くなるとの予想を示した。第2四半期成長率予測は0.5%と、5月時点の0.2%から上方修正された。英経済は1-3月(第1四半期)に0.6%成長と昨年の景気後退から力強く回復していたが、4月は再び停滞した。
英産業連盟(CBI)のアルペシュ・パレジャ暫定副チーフエコノミストは、「MPCが8月に利下げに踏み切ると予想しているが、確実ではない。MPCは非常にデータ依存であるため、今後1カ月の主要指標の推移が鍵になるだろう。さらに、8月以降に追加利下げがあるとしても、ペースは緩やかになりそうだ」と話した。
原題:BOE Leaves Rates on Hold, Hinting at Readiness for Cuts (1)(抜粋)
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Tom Rees