【解説】「自民全敗」で岸田政権の今後は… 首相、都知事、立憲民主党…それぞれの「不安」とは?
平本キャップ 「ポスト岸田の1人として与野党から『小池知事が国政復帰を狙っているのでは』と警戒する声は根強くありますが、今回の結果を受けて、ある小池都知事に近い自民党議員は『これで国政復帰は厳しくなった』と分析しています」 森キャスター 「ことしの7月には都知事選も行われますが、そのあたりへの影響は考えられますか?」 平本キャップ 「小池知事は今回の選挙結果なども分析して、まず都知事選挙に出るのかどうか、そのほかの選択肢があるのかどうか、慎重に検討するものとみられます」
■立憲民主党「3年前のトラウマ」とは?
森キャスター 「3つ目のポイントです。今回の補選では3勝した立憲民主党にも、不安があるということなんですか?」 平本キャップ 「そうなんです。立憲民主党は補選3勝に勢いづいてはいます。ある立憲幹部は『政権交代に向けた土台ができた』と言っています。しかし、立憲民主党の幹部から聞くのは『3年前のトラウマ』です」 「3年前、なにがあったかというと、当時は菅政権でした。自民党は今回と同じように4月のトリプル補選で全敗しました。しかし、追い込まれた自民党は、自民党トップを決める総裁選挙で、菅さんから岸田首相を選び“顔を変えて”与野党対決の総選挙に臨み、立憲民主党が敗れました」 「ある立憲幹部は当時を振り返り『菅政権を追い込みすぎて、選挙で負けてしまった』と。別の立憲幹部はいまの状況に重ね合わせ『一番の戦略は岸田首相と衆議院総選挙を戦うこと』だと指摘しています。つまり、自民党を追い込みすぎて、岸田首相が代わってしまうのでは、という不安があるようです」
■今後の岸田首相の政権運営… 戦略練り直しか?
斎藤佑樹キャスター 「立憲民主党にも不安があるということですが、今後の岸田首相の政権運営のポイントはどこになりますか?」 平本キャップ 「岸田首相が描いてきたのは、今の国会での解散総選挙の模索、もしくは9月の自民党総裁選での再選です。しかし、党内では『岸田首相での解散だけは勘弁してほしい』などと解散を止めようという声や『総裁選でリーダーを代え、局面転換を』などと総裁選で別のリーダーを求める動きが、今後強まる可能性もあります」 「さらに、後半国会の最大の焦点は政治資金規正法の改正ですが、国会論戦もたやすくはありません。岸田首相は5月1日から6日間の海外訪問に出発しますが、戦略の練り直しの時間となりそうです」