50代一人暮らしの会社員です。「貯蓄ゼロ」ですが、年金でどうにかなりますよね?周りはもっと貯蓄しているのでしょうか?
50代で一人暮らしをしていると、老後の生活費や貯蓄について不安を感じることがあるかもしれません。「貯蓄ゼロでも、年金でどうにかなるのでは?」と考える方もいるでしょう。周囲の人たちはどれくらい貯蓄しているのか気になるところです。 本記事では、年齢階級別の平均貯蓄額を紹介するとともに、平均的な老後の生活費や年金受給額を比較して、実際に年金だけで生活ができるのかを考えていきましょう。 ▼定年退職時に、「1000万円」以上の貯蓄がある割合は日本でどれくらい?
年齢階級別平均貯蓄額について
金融広報中央委員会が公表している「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](令和5年)」によると、年齢階級別の平均貯蓄額は、表1のとおりです。 表1
出典:金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](令和5年)」を基に筆者作成 50歳代の平均貯蓄額は1391万円ですが、金融資産を保有していない割合は38.3%と4割近い方が「貯蓄ゼロ」であることが分かります。 なお、今回紹介した貯蓄額は平均値であり、貯蓄額が極端に多かったり、少なかったりする人が多ければ平均値も大きく変動するため、あくまで参考としてご覧ください。
老後の一人暮らしにかかる生活費の目安
ここでは、65歳以上の単身無職世帯が毎月どのくらいの生活費を使っているのか紹介します。総務省統計局の「家計調査報告[家計収支編]2023年(令和5年)平均結果の概要」によると、65歳以上単身無職世帯の1ヶ月における消費支出の平均額は表2のとおりです。 表2
出典:総務省統計局「家計調査報告[家計収支編]2023年(令和5年)平均結果の概要」を基に筆者作成 定年後の一人暮らしでは、毎月およそ14万5000円の生活費が必要であると分かります。
平均的な年金受給額は約14万5000円
厚生労働省年金局の「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、令和4年度末時点における厚生年金保険(第1号)の受給者平均年金月額は、老齢基礎年金の額も含めて約14万5000円です。 平均額を基に考えると、一人暮らしであれば、年金だけでもギリギリ毎月の生活費を賄える可能性があります。そのため、50代で貯蓄ゼロでも老後の生活を維持できると考えられるかもしれません。 しかし、ライフスタイルの変化や、年齢とともに増える医療費や介護費など、予期しない大きな出費が発生することも考慮する必要があります。そのため、通常の生活費に困らないとしても、万が一の急な出費に備えるために、年金の繰下げ受給や再雇用制度などを活用し、定年後も安定した収入を確保することが大切です。