KEIRINグランプリ2022覇者・脇本雄太が3年連続で年末の大一番へ 静岡競輪で2度目の優勝めざす
今年の顔であり、2025年S級S班所属となる9名の選手たちによる一発勝負。競輪界の一大決戦「KEIRINグランプリ2024」が30日、静岡競輪で開催となる。今回はスピードで時代を築く2022年のグランプリチャンピオン脇本雄太を紹介する。(構成:netkeirin編集部)
日本競輪界を牽引する神速オリンピアン
自転車競技最高峰の大会UCI世界選手権のケイリンで銀メダルを獲得し、日本代表として東京五輪を戦った脇本雄太。グランプリは2022年の平塚で優勝している。これまでGIを8勝しており、そのうち3回は完全優勝。獲得タイトルや表彰歴を並べて見れば、誰もが認める才能の持ち主であることは明白であり、自転車競技界ならびに競輪界を牽引してきた中心人物であることに間違いはない。世界と対等に戦い抜いた神速を武器にそのスピードでファンを魅了している。 近年はあまりの強さに警戒され厳しく対策されるレースも目立ち、「脇本包囲網」が敷かれる形でレースが進むこともしばしば。フィジカル面でもダメージは蓄積され、脇本本人からコンディションの不調がコメントされることも。そういった状況からか昨年はタイトル獲得には至らず、苦戦する姿も見られた。 そんな中、最近では後輩選手の成長などから番手回りの機会も増えており、走りの幅を広げている。超ド級のスピードで格の違いを見せつけながら、ラインとして機能することへの意識も高まり、脇本雄太の選手像は日々大きく進化を遂げている。これからも目を離せない圧倒的強者だ。
近畿勢59年ぶりとなる競輪祭制覇!タイトルを獲ってのグランプリ出場
今年は年明けに体調不良でリズムを崩していたが、ウィナーズカップでは初日特選から脇本らしさ全開の豪快な捲りが炸裂。その勢いのまま優勝へ一直線。この優勝もあって賞金ランキングも上位に位置し、一時期は4位で「グランプリ出場濃厚」であった。だが、激しい賞金争いは簡単ではなく、最後のGI競輪祭前にはボーダーライン付近の8位であった。 そして迎えた競輪祭初日。勝ち上がりは逃せない中、一次予選1でまさかの9着。例年の勝ち上がりポイントのボーダーを考えれば一次予選2では連対必須の苦しい状況。背水の陣で臨んだレースは一本棒の展開となり、最終バックでも後方の大ピンチ。脇本を愛するファンも「まさか一次予選敗退あるのか」と不穏な気持ちが頭をよぎったのではないだろうか。 しかし、最終直線で猛烈な脚で大外から強襲し1着。「これぞ脇本」という異次元のレースで勝ち上がりを決め、その後のレースもすべて1着で決勝進出を果たした。そして決勝、脇本は元ナショナルチーム所属の同県寺崎浩平の番手を回ることに。近畿勢は後ろ攻めになるが、赤板で寺崎が主導権。そのままの隊列で打鐘周回に入り、最終ホームで犬伏湧也が強烈なカマシで迫り、近畿3番手の村上博幸の位置にハマってしまう。 最終直線で犬伏とのマッチレースになるが、輪界屈指のスピードを持つ犬伏ですら差を詰められないまま脇本が押し切り優勝。近畿勢では59年ぶりとなる競輪祭優勝を決め、3年連続6回目のグランプリ出場を確定させた。