「勤続20年」あるかどうかで退職金が大きく変わります。「年数」のカウント方法は12月末? 年度ごと? どういうカウントなのでしょうか
退職金は、勤続年数によって受け取れる金額が変わってきます。特に、注意しておきたいのが「勤続20年」というタイミングです。このあたりで退職を考えている場合は、辞表を出す前に正確な勤続年数を確認しておかないと、損をする可能性があります。 本記事では、退職金を計算する際の年数のカウント方法や、「勤続20年」がポイントになる理由について解説していきます。 ▼勤続20年でも年収は「280万円」貯蓄も「30万円」しかないのは少なすぎ!? 転職したほうが良いの?
退職金を計算する際の勤続年数はどう数えるのか?
勤続年数のカウント方法は、入社した日から退職する日までを数えます。ただし、退職金の計算に用いる場合、1年に満たない端数については切り上げとなります。例えば、2000年4月1日に入社した人が2024年7月30日で辞めると在籍期間は24年4ヶ月です。 ところが、端数は切り上げとなるため、退職金は25年で計算されます。入社してから1年未満で退職する場合も、切り上げされるのは同じです。6ヶ月でも10ヶ月でも勤続年数は1年として扱われます。なお、勤続年数1年で退職金が出るかどうかは、会社の規定によって異なるため確認しましょう。
「勤続20年」で退職金に影響が出る理由
退職金は「退職所得」として扱われ、住民税と所得税がかかります。退職所得は、退職金から「退職所得控除額」を引いた額の2分の1になります。この退職所得控除の求め方が、勤続年数20年より多いかどうかで変わってくるのです。 勤続年数が20年以下の場合の求め方は「40万円×勤続年数」ですが、21年以降は「800万円+70万円×(勤続年数-20)」で計算されます。住民税と所得税がかかるのは、この計算方法で出された額よりも退職金のほうが多い場合です。 例えば、勤続年数が25年なら「800万円+70万円×(25-20)」ですから、1150万円が退職所得控除になります。つまり、退職金が1150万円を超えていなければ住民税と所得税はかかりません。では、分かりやすく勤続年数が20年の場合と21年の場合とで計算してみましょう。 勤続20年だと「40万円×20年」で退職所得控除は800万円、勤続年数21年なら「800万円+70万円×(21-20)」で870万円が控除されます。これだけではあまり差は出ませんが、勤続年数が35年になれば「800万円+70万円×(35-20)」で退職所得控除は1850万円に上がります。