「新幹線が通ると値段は4、5倍に」ニセコの市街地を転売ヤーが…外国人は空き家対策の救世主なのか?
駅前の「空き家」や「店舗」を買い漁る外国人投資家たち
高級ホテルやコンドミニアムの開業が相次ぐスキーリゾート「ニセコ」を抱える北海道倶知安町。リゾートエリアのニセコひらふ地区がインバウンドパブルに沸く一方で、そこから7、8キロほど離れた倶知安市街地では、「空き家」が海外の投資家に次々と買われている。 【インバウンド・ラーメン?】すごい! ホリエモンのラーメン屋は2500円…! 「外国人富裕層が、倶知安駅周辺の空き家や駅前通り商店街の空き店舗を買い漁っているのが現状です」 そう話すのは、駅前通りでスキーとスノーボードの専門店を経営する滝口直久さんだ。滝口さんは副業で法人相手の不動産業を営んでおり、町内の住宅や店舗の事情に明るい。 「予定では’30年に、新幹線の倶知安駅ができます。10年の間に駅前の不動産の値段は倍以上になるだろうということで、数年前から外国人の投資家や事業主が市街地の民家や店舗物件を買っているんです」(滝口さん、以下同) 北海道新幹線の札幌延伸は工事の遅れや費用増大などの理由でずれ込む可能性が出てきたものの、今のところは’30年度内に開業することになっている。倶知安―札幌間の所要時間は在来線を利用した場合の4分の1以下に短縮され、25分程度に。ニセコの玄関口としての役割を期待されている。 また、時期は未定だが北海道横断自動車道(後志道)も開通し、倶知安ICができる予定だ。 「投資家は駅前の商店街の空き店舗を買うと、リゾート地区で商売をしている人に貸すんですよ。その店舗は大体、1階が事務所で2階が従業員たちの住居になっています。 どの町でもそうでしょうけど、倶知安の商店街も高齢化が進んでいます。今は営業していても、後継者がいないために何年か後には売りたいと考えているオーナーは多い。そういう人たちが2年後、3年後に明け渡す条件で店舗兼住宅を売りに出し、不動産屋を介して外国人が投資目的で買っているわけです」 今までリゾートエリアで営業していたデリバリーやケータリングの専門店が、倶知安の市街地に移転する動きもあるという。 「リゾート地区の賃貸料がどんどん上がって、これではやっていられないと外国人も日本人も市街地に移ってきているんです。厨房のある物件を借りて、街中からリゾート地区のコンドミニアムにデリバリーしています」 ◆「新幹線と高速道路が通ると値段は4、5倍に上がると思います」 駅前の商業地の外縁や駅の裏側に広がる住宅地では、民家が売れている。 「駅の裏側は駅前に比べてまだ安いです。ただ、新幹線と高速道路が通ると値段は4、5倍に上がると思います。 外国人はそれを見越して一軒家を買い、事業者に貸している。以前は、別荘として一軒家を買う中国人や台湾人がいましたけど、今はほとんどいません。買った一軒家をリフォームして、民泊やシェアハウスにするパターンが多いです。中には、リフォームしてから2倍、3倍で転売する人もいます」 投資が目的ではなく、リゾート地区で商売をする人がスタッフを住まわせるために買うケースも増えています。たとえばスキーやスノーボードスクールの経営者が、インストラクターの寮として使うのに買うわけです」