阿蘇火山博物館の収蔵資料、旧立野小で展示・公開へ 支援組織NPO、設立20周年記念談話会で発表
阿蘇火山博物館(阿蘇市)と、同館の支援組織NPO法人阿蘇ミュージアムは、収蔵資料を南阿蘇村の旧立野小に移し、同館のサテライトとして展示、活用する準備を進めている。同NPOが2日、設立20周年記念談話会で発表した。 同NPOは2004年、経営難などで存続の危機にあった同館を支援するため設立された。現在のメンバーは、元教諭や学識者、自営業者ら約30人。過去には阿蘇の火山や植物、歴史などを案内するガイド養成も手がけた。その後、活動の中心は調査研究や教育普及に移り、同館展示物の刷新や学習会の開催などに取り組んでいる。 同館は2016年の熊本地震で被災後、岩石や専門書などの資料を整理も兼ねて旧立野小に移した。今年5月には村と包括連携協定を締結。資料整理作業はNPOメンバーが担い、展示や説明文作り、データベース化を進める。資料には熊本大の渡邉一徳名誉教授の遺族から寄贈された書籍なども含まれるという。
旧立野小には熊本大や九州電力も入居しており、村の避難所でもある。NPOは主に1階部分での常時公開を目指して整理を進める。NPOの矢加部和幸理事長は「世界の阿蘇という宝を未来に引き継ぐため、今後も尽力したい。火山博を支え、教育、観光、防災面から情報発信していく」と述べた。(宮崎あずさ)