1500億円を超える大規模な資金流入を記録=DC専用ファンド(2024年11月)
DC専用ファンドの2024年11月の純資金流出入額(速報値)は約1517億円の資金流入超過になった。資金流入超過は2020年12月以降48カ月連続、流入額の規模は記録を取り始めた2015年1月以来の最大規模になった。資産分類別の流入額トップは「先進国株式」で流入額は約741億円、次いで「バランス」の約611億円だった。両分類とも流入額は2015年1月以来で最大規模。一方、「国内株式」は、約13億円の資金流出で、前月から2カ月連続の資金流出になった。 DC専用ファンド全体の純資産総額は約14兆2823億円と前月から約1039億円増加して2カ月連続で史上最高を更新した。残高の内訳は、株式ファンド56%、債券ファンド11%、バランスファンド31%という割合で、前月と同じだった。(※個別のDC規約では、DC専用ファンド以外のファンドを制度に採用している場合があるため、DC専用ファンド全体の純資産総額は、国内DC制度全体で運用されているファンドの残高とは一致しない) ■資金流入額のトップは「DCマイセレクションS50(リスク抑制型)」 DC専用ファンドの過去1カ月間の純資金流入額ランキングのトップは「DCマイセレクションS50(2024-2026リスク抑制型)」だった。第3位に「DCマイセレクションS50」、 第4位に「DCマイセレクションS75」、第7位に「DCマイセレクションS25 」がランクインしている。バランス型ファンドが純資金流入額ランキングでトップになるのは、2023年4月以来17カ月ぶりのことだ。 「DCマイセレクションS50(2024-2026リスク抑制型)」は、国内外の株式と債券の4資産を投資対象とし、設定時の2024年5月から2025年3月までは国内株式8%、国内債券73%、外国株式2%、外国債券12%、短期金融資産5%という株式10%、債券90%のリスクを抑えた運用をし、その後、四半期ごとに比率を調整し、2026年12月までに国内株式35%、国内債券40%、外国株式15%、外国債券5%、短期金融資産5%という比率に調整していく。最終的に株式50%、債券50%の比率になったところで、1年ごとにリバランスする運用に切り替わる。 前月トップだった「野村 外国株式インデックスファンド・MSCI-KOKUSAI(確定拠出年金向け)」は第5位に後退し、第2位には「三井住友・DC外国株式インデックスファンドS」が入った。三井住友TAM、三井住友DSが運用するファンドが上位に目立つ存在となっており、このランキングの変化は三井住友系の運営管理機関が担当する大手企業で大規模なDC制度の運用が開始されたのかもしれない。 ■トータルリターン1位は前月同様「大塚グループ株式F(確定拠出年金向け)」 個別ファンドの過去1年間のトータルリターンランキングトップは、4カ月連続で「大塚グループ株式ファンド(確定拠出年金)」になった。第2位以下も前月と同じ「DC次世代通信関連 世界株式戦略ファンド」、「<DC>ベイリー・ギフォード世界長期成長株F」だった。第4位に「DC世界株式・厳選投資ファンド」がランクアップし、第5位以下に「S&P500」連動型のインデックスファンドが並んだ。 ◆iDeCoの新規加入者数は7カ月連続でマイナス成長 国民年金基金連合会が12月2日に発表したiDeCo(イデコ、個人型確定拠出年金)の業務状況によると2024年10月の新規加入者数は2万4049人で前年同月比32.8%減、加入者総数は346万875人になった。新規加入者数は4月以来7カ月連続で前年同月比マイナスになった。なお、従業員のiDeCoに企業が上乗せ拠出をするiDeCo+(イデコプラス:中小事業主掛金納付制度)は、実施事業所数は8389事業所、対象従業員数は5万3477人になった。 10月の新規加入者の内訳は、第1号加入者は3898人(前月3884人)と前年同月比15.2%減、第2号加入者は1万8843人(前月2万1042人)と同35.7%減、第3号加入者は1019人(前月1039人)と同35.6%減になった。第2号加入者の中で、「企業年金なし」の新規加入者が1万1973人(前月1万2742人)。「企業年金あり」が3524人(前月4307人)。共済組合員(公務員)の新規加入者は3346人(前月3993人)となった。
ウエルスアドバイザー