シャネル がZ世代をターゲット。チャンスの新キャンペーンとアプリゲームで獲得を狙う
若い世代を狙うラグジュアリーブランドの動き
ラグジュアリービューティブランドが若い消費者を惹きつけようと試みるのは新しいことではなく、シャネルも例外ではない。同社は、2022年1月、D2C eコマースサイトとアルタビューティ(Ulta Beauty)で、N°1 ドゥ シャネル(No. 1 de Chanel)というクリーンビューティラインを立ち上げた。チャンスの展開と同じように、シャネルはYouTube広告数本でこの環境に優しい製品ラインを宣伝し、美容の「新世代」を先導するというアイデアをアピールした。また、2023年5月には2022年の年間売上高が17%増加したと報告しており、美容とフレグランスのカテゴリーにおける堅調な売上と新製品開発が評価されていた。この記事のためにシャネルにコメントを求めたが、返事はなかった。 調査・コンサルティング会社のラグジュアリー・インスティテュート(Luxury Institute)のCEO、ミルトン・ペドラザ氏は「多くのラグジュアリーブランドは、現実逃避を強調して、まったく新しい世界に向かう傾向がある。それがメタバースが意味することだ」とGlossyに語る。「(チャンスの広告は)遊び心があり、楽しく、意欲的で、あのようなハッピーな世界にいたいという気持ちにさせる。(モデルは)製品を手にしており、製品が手頃な価格なのも見てわかる」。ペドラザ氏は、手頃な価格で魅力的な製品が増える傾向にあると述べている。Z世代の消費者はちょっとした贅沢品、特にフレグランスに依然として積極的に支出している。シャネルのクラシックなチェーンハンドバッグの価格は約3500ドル(約52万円)からだが、チャンスフレグランスの価格はサイズにより100~165ドル(約1.5万~2.4万円)である。 若い世代がラグジュアリー製品に接するようになるにつれ、彼らの欲求は高まっている。ニールセンIQ(NielsenIQ)のデータによると、Z世代の消費者の61%が高級美容製品を購入しており、高級スキンケアやヘアケア製品に対する支出額がミレニアル世代を上回っているという。ペドラザ氏によると、Z世代を魅了しているヘリテージブランドは、ブランドメッセージにおいて引き続き信頼性を優先すると同時に、若いラグジュアリー消費者と彼らの憧れの製品への欲求に関与し続ける必要があるという。