中途採用者が職場に溶け込むための“アンラーニング”とは 「自分の視点を柔軟に変える」5つのポイント
無理やり変えようとするのではなく、含んで超えるかかわりを
まず大前提として、その人の過去の経験や信念、価値観を否定する必要はありません。 その人が持っている信念や価値観は、大事にしていただきたいものです。 私もキャリア採用の方に入社前面談をする機会があります。 新しい会社の風土ややり方に、いかに順応してもらえるかというのは一つのポイントですが、その人自身の持っている経験や価値観も資産として大切にしていただきたいです。 その人がこれまで大切にしてきたものを全て捨ててもらって、あなたの会社の色に染める必要はありません。記号で示すのであれば、その人のこれまでの経験をa(スモールエー)とするならば、それも大切に保持し含みながら新しい会社の価値観ややり方も柔軟に取り入れてA(ビックエー)にしていく。 面談では、「あなたの大切にしてきたものを生かしながら、それを含んで超えていってほしい」と期待を伝え、だからこそ「あなたが何を大事にしているか、価値観として大切にしていることは何か、忖度せずにぜひ話してほしい」と対話を促すようにしています。
視点を変えてアンラーニングにつなげる5Pモデル
私は、アンラーニングの本質は、これまでと異なる視点を取り入れて新たなまなざしで対象と向き合うことだと考えています。成功体験を積めば積むほど、これまでうまくいっていたやり方を手放すことが難しくなります。そこで、自分の視点を柔軟に変えるための5つの切り口、5Pモデルをご紹介します。
Pから始まる5つの視点をご紹介しました。 ① Purpose【目的】を問い直したらどう変わるだろう? ② Position【立場】を変えてみたら、何が見えてくるだろう? ③ Period【期間】を短くしたらor長くしたら何が生じるだろう? ④ Positive【ポジティブ要素】に着目したら得られるものは? ⑤ Pain【痛み、リスク】にあえて向き合ったらどうなるだろう? こうしたフレームワークがあると自分の経験や価値観のいかんにかかわらず、自分の視点を変えることが容易になります。 キャリア採用者かもともと会社にいる人たちの価値観か、どちらかの視点で見るのではなく、互いにこの5つのフレームを使いながら一緒に対話してみてもいいでしょう。